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がんセンターの取り組み
「高知医療センター中期経営改善計画」に基づき、本年度よりがんセンターとして、以下の機能について整備を進めていきます。平成29年度診療開始予定として検討が進められている「新がんセンター(仮称)」の機能等については、進捗状況を逐次HP上で報告していきます。
1. 手術療法
   がんセンター機能の中心的役割を担う「手術療法」は、全身麻酔下手術、内視鏡下手術ともに年々増加しています。5大がん(胃がん、大腸がん、肝臓がん、乳がん、肺がん)においては、地域連携パスを作成し、地域医療機関との連携に役立っています。それに関連して、早期発見・早期治療、その後の経過での追加治療の患者さんが、さらに集中してくるものと考えられます。
 手術件数の増加に伴い、治療経過中に集学的治療(化学療法・放射線治療などとの併用療法)を行う機会も増加してくるため、当院での手術療法の得意分野・不得意分野を詳細に分析し、地域ニーズを踏まえたうえで今後の戦略を立て、対応していく必要があると考えております。
2. 化学療法
   平成25年4月より、腫瘍内科医が不在となっていましたが、平成26年7月から腫瘍内科に常勤医が1名赴任します。我が国で消化器がんの抗がん剤治療の分野においてで指導的立場におられた方です。これで、院内には「がん薬物療法専門医」が3名体制となります。
 外来での化学療法を受ける患者さんは、開院以来順調に伸びてきており、平成25年度は外来化学療法加算の算定件数は約4,400件件に達しました。現在、外来化学療法室は21ベッドで運用していますが、患者さんの増加に伴い、ほぼ限界に近い状況となっております。今後は、ベッド数の増加を視野に入れ、休床中の病床の利用も含めた運用を検討していく必要があると考えております。
 抗がん剤の種類、投与方法を管理する「レジメン管理委員会」では、注射薬については全て一元管理ができていますが、今後は、内服による抗がん剤治療も含め、一元的に腫瘍内科が担当する体制がとれるように検討を加えて行きます。
3. 放射線治療
   欧米では、がん治療の経過中に放射線治療を受ける割合が50〜60%台ですが、本邦ではまだ25%程度にすぎません。従来、本邦ではがん治療の最善の方法として「手術療法」が位置付けられてきましたが、最近では手術前後で抗がん剤治療、放射線治療などを併用した「集学的治療」を推進する方向になってきています。例えば、食道がん、直腸がん、膵臓がん等では術前放射線化学療法(放射線治療と抗がん剤治療の併用)の有効性が認められ、症例数も増えてきています。
 当院では、手術症例の増加に伴う放射線治療の増加も見込まれる現状を踏まえ、放射線治療専門医の増員が急務となっております。新がんセンターでは、放射線治療医複数体制を確保し、高精度放射線治療(強度変調放射線治療「IMRT」、定位放射線治療等)、子宮頸がん、食道がん、胆道がん等に対する腔内照射、前立腺がん等に対する組織内照射(ブラキセラピー)の導入も視野に入れております。
4. 緩和ケア
   当院は、開院時には急性期疾患を扱う病院ということで、緩和ケア病棟は設置しないこととなった経緯があります。しかし、「高知県がん対策推進計画」では、がん診療連携拠点病院での緩和ケアの提供が必要項目とされています。平成21年4月より、緩和ケアチームが整備され、最近では入院患者への介入件数も飛躍的に伸びております。平成24年度からは緩和ケア外来も開設しました。
 当院での緩和ケア病棟の併設を希望する声も多く聞かれますが、現状では一般患者さんと緩和ケアを提供する患者さんが混在した状態となっており、患者さん、ご家族の皆さん、そして医師、看護師への心理的負担も大きい状況となっています。このようなニーズが高まり、緩和ケア医、精神科医、がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師等の獲得・育成も行い、機が熟せば「緩和ケア病棟」の開設も視野に入れていきたいと考えております。
5. がんセンターフロアの整備
   抗がん剤治療、放射線治療、インターベンション治療を行うがん患者さん、および緩和ケアの介入管理が必要ながん患者さんなど、手術以外の治療を行う患者さんをワンフロアに集め、関連診療科が協働して集学的管理を行いたいと考えております。「がんセンターフロア」として整備しても充分機能できるものと考えております。
 「がんセンターフロア」が実現することにより、名実共に「がんセンター」として機能を発揮することができ、集学的治療の提供、診療科枠を超えた緩和ケアの提供、外来化学療法での急変時の受け入れ、クロノテラピー(夜間・週末抗がん剤療法)を希望する声にも対応できるものと考えております。
平成26年4月
がんセンター長:森田荘二郎
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