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泌尿器科

2017/04/06

1. はじめに 

 泌尿器科は尿の通り道(腎、膀胱など)や男性器(前立腺、精巣など)の病気に対して、主として手術による治療を行う診療科です。しかしこの20年間で泌尿器科は大きく変わりました。
 前立腺肥大症の手術は開腹手術から尿道よりカメラを入れて行う内視鏡手術、最近ではレーザーを使用したさらに出血の少ない内視鏡手術が中心となりました。また、尿路結石を開腹して摘出することはほぼなくなり、体外衝撃波結石破砕術や内視鏡手術が一般的です。多くの疾患でより非侵襲的な治療が普及しましたが、腎癌、膀胱癌、前立腺癌などの泌尿器科癌で治癒を目指すなら治療の第一選択は今なお手術です。しかし、癌の手術であっても生活の質を考慮した腎機能、排尿機能、性機能などを温存する高い技術の手術が必要となります。これらに対する手術についても大きく開腹する手術から小切開手術、腹腔鏡下手術、さらには手術支援ロボットを使用した手術までもが行われるようになってきています。
 泌尿器科には内科的な面もあります。診断の面では前立腺癌や腎癌の早期発見法が開発されました。いまでは広く普及し、一般健診や人間ドックの中に取り入れられています。膀胱鏡検査は軟性膀胱ファイバースコープの使用により痛みの少ない検査になりました。治療面では前立腺癌に対するホルモン治療薬、腎癌に対する分子標的治療薬をはじめ前立腺肥大症の治療薬、過活動膀胱の頻尿治療薬、また、感染症、勃起障害などでも新しい画期的な薬剤が開発され、使用されるようになってきています。
 

2. 高知医療センター泌尿器科の現状

 最近5年間の主な手術の件数を表に示します。地域がん診療拠点病院としての役割から癌に対する手術が多くを占めていますが、結石や前立腺肥大症などに対する手術も多く行っています。

(1)泌尿器科癌の治療

 腎癌の手術では腹腔鏡下手術を中心に、小切開(ミニマム創)による手術や開腹手術を行っています。症例に応じて適切な手術方法を提示します。また、腎機能温存を目的に腎部分切除術を積極的に行っています。健診で偶然発見される小さな腎癌(腫瘍径4cmくらいまで)がおもな適応になります。
 前立腺癌は検診の普及につれて増加傾向にあります。癌の進行度と患者さんの状態を検討し、手術、放射線、内分泌療法を選択します。前立腺に限局した早期の癌に対しては全摘除術が選択されますが、当科では内視鏡を併用した小切開法による合併症の少ない術式を採用しています。状態によってはロボット支援手術を行うほうが良い方もおられますが、残念ながら当院には未導入ですので、その場合はご相談のうえ近隣施設へ紹介します。放射線治療は、早期の前立腺癌に対する根治的な治療法として全摘除術と同等の効果があるといわれています。合併症のため手術が難しい患者さんにとっては大きな福音です。当院では放射線療法科との協力で外来通院での治療も可能です。
 膀胱癌に対する手術としては内視鏡手術が中心となります。当科では膀胱癌を細切せず一塊として切除する経尿道的膀胱腫瘍一塊切除術(TURBO)を行っています。浸潤癌では開腹手術も必要になります。尿路変更法としては回腸導管が一般的ですが腸管を利用した代用膀胱造設術も行います。抗癌剤治療は食欲不振、全身倦怠感など副作用が強く長期間の入院が必要でしたが、新しい薬剤やレジメの導入により副作用が軽減され外来治療や短期入院の治療が可能となりました。治療を行いながら自宅での時間を多く過ごしていただけるようになっています。
 泌尿器科癌の治療は当院にお任せ下さい。個々の症例に対して最適の治療法を提示します。

(2)他科との連携

 大きな癌など場合は消化器外科や婦人科などと合同で手術を行っています。症例によっては放射線療法科にて放射線治療も行います。また、治療中の合併症については各科専門医と連絡を取って治療にあたります。進行した癌に対しては緩和ケア内科とも連携します。
 腎移植についても、移植外科や腎臓内科と協力して取り組んでいます。治療についてのご相談は移植外科へお願いします。また、腎不全、血液透析については腎臓内科が診療を行っています。
 副腎の疾患については糖尿病・内分泌内科とも協力して当科が中心に手術を行っています。
 小児(中学生以下)については小児外科、小児科の担当となります。
 

(3)インフォームド・コンセントとセカンド・オピニオン

 この患者さんにとって最良の治療は手術か、抗癌剤治療か、放射線療法かを正しく判断する必要があります。現在の泌尿器科の標準的な考え方に基づいて病状、年齢、合併症などを考慮したうえで治療に関するわれわれの考えを患者さんとご家族にお伝えします。ただし、最終的に治療法を決めるのは患者さんご自身です。他施設でのセカンド・オピニオンを希望されれば資料を準備します。癌にかかわらず泌尿器科疾患の治療法については様々な考え方があります。専門家の意見を参考のうえ、十分納得の上で治療を受けていただければと考えています。

(4)外来通院について

 病状が安定している方は、ご紹介いただいた先生やかかりつけ医の先生(ホームドクター)のところで処方していただくことが可能です。前立腺肥大症、尿路結石症などは生活習慣病であり、患者さんの体調を以前から良くご存知のかかりつけの先生に主治医になっていただくほうが望ましいと考えています。紹介状を準備させていただきますので、遠慮なくご相談下さい。

(5)受診にあたって

 当院は、かかりつけ医の先生から紹介いただいた患者さんを診させていただくことを基本とする地域医療支援病院です。できれば、かかりつけ医の先生からの紹介状をお持ちいただき、事前に予約をとって受診して下さい。
 予約なく受診された場合でも時間内であれば診察はできますが、待ち時間が長くなる可能性があります。場合によっては、後日あらためて受診していただくこともあります。
 受診の際は、現在服薬中のおくすり、またはおくすり手帳などを必ずご持参下さい。今までにかかった病気やアレルギーなどについてまとめたメモなどもあれば助かります。
 新たな検査法、治療法の開発で泌尿器科はこれからも大きく変わっていくでしょう。今後も優れた新しい技術を積極的に取り入れて行きます。患者さんにとって、ご紹介いただく先生方にとって頼りになる泌尿器科であり続けます。高知医療センター泌尿器科では高度な技術を普段着感覚で患者さんに提供します。

表 主な手術の件数

 

2012年

2013年

2014年

2015年

2016年

5年間の合計

副腎摘除術

 (腹腔鏡)

5

(4)

7

(7)

5

(5)

2

(2)

4

(4)

23

(22)

根治的腎摘除術

 (腹腔鏡下)

 (小切開)

10

(4)

(5)

15

(10)

(4)

17

(15)

(2)

21

(17)

(2)

10

(9)

(0)

73

(55)

(13)

腎癌に対する

腎部分切除術

5

12

6

14

8

45

ドナー腎採取術

10

15

9

10

12

56

腎尿管全摘除術

 (後腹膜鏡下)

7

(7)

(7)

5

(5)

4

(4)

2

(2)

25

(25)

経皮的腎結石破砕

摘出術(PNL)

2

1

4

1

9

経尿道的腎尿管結石

破砕摘出術(TUL)

35

31

35

19

38

158

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

8

6

7

6

5

32

尿管ステント留置・交換

110

118

93

118

98

537

膀胱全摘除術

4

2

3

4

7

20

経尿道的膀胱腫瘍 切除術(TUR-BT)

65

71

44

67

72

319

回腸導管作成

6

1

2

3

7

19

尿管皮膚瘻術

4

1

1

1

0

7

前立腺全摘除術

15

14

4

12

7

52

経尿道的前立腺手術

 (TUR-P)

 (HoLEP)

28

(4)

(24)

36

(3)

(33)

32

(3)

(29)

24

(0)

(24)

23

(1)

(22)

143

(11)

(132)

間質性膀胱炎に対する膀胱水圧拡張術

7

8

8

5

5

33

前立腺生検

112

88

94

70

102

466

3. 担当医プロフィール

小野憲昭(おの のりあき)  地域医療センター長、感染対策センター副センター長、(兼)移植外科
 昭和60年 岡山大学医学部卒業
 専門 泌尿器手術、尿路感染症、院内感染対策、腎移植
 日本泌尿器科学会 専門医・指導医、代議員
 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
 日本臨床腎移植学会 腎移植認定医
 日本移植学会 移植認定医
 日本泌尿器内視鏡学会 代議員
 インフェクション・コントロール・ドクター(ICD)
 アメリカ泌尿器科学会メンバー
 外来診察日 (月)(火)(金)

 

新 良治(あらた りょうじ)  科長
 平成2年 山口大学医学部卒業
 専門 泌尿器悪性腫瘍
 日本泌尿器科学会 専門医・指導医
 日本泌尿器内視鏡学会腹腔鏡技術認定
 日本内視鏡外科学会腹腔鏡技術認定(泌尿器)
 日本ミニマム創泌尿器内視鏡外科学会 施設基準医
 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
 外来診察日 (火)(木)(金)

 

神原 太樹(かんばら たいき)  医長
 平成16年 防衛医科大学校卒業
 専門 泌尿器腹腔鏡手術、泌尿器悪性腫瘍
 日本泌尿器科学会 専門医・指導医
 日本泌尿器内視鏡学会腹腔鏡技術認定
 日本内視鏡外科学会腹腔鏡技術認定(泌尿器)
 外来診察日 (月)(火)(木)


 安藤 展芳(あんどう のぶよし) 医師
 平成26年 岐阜大学医学部卒業
 専門 泌尿器一般
 外来診察日(木)(金)
 

4.外来予定表

5. 泌尿器科の病気について



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