ページの先頭です。

メニューを飛ばしてメインへ

メイン画像

出生前検査をお考えの妊婦さんへ

2015/07/15

出生前検査をお考えの妊婦さんへ
高知医療センター 産科外来

児が健康であってほしいというのはすべての妊婦さんの願いです。しかし、児が病気をもって生まれることもあります。治療のあまり必要のない病気から、治療が必要な病気、また治療ができない病気などさまざまです。生まれる前に診断のつく場合もあれば、つかない場合もあります。また診断がつくことによって悩みが増える場合もあります。

当センターでは通常、妊婦健診において各担当医が胎児超音波検査を行っています。また精査が必要と判断される場合や妊婦さんの希望がある場合に胎児超音波スクリーニング検査を行っています。すべての病気がみつかるわけではありませんが、生後早期に治療の必要となる多くの病気がみつかるため通常はこれで十分と考えています。しかし、前のお子さんの病気などさまざまな理由でそれ以外の検査をお考えの妊婦さんもおられます。出生前検査には適応と限界があります。また心配している病気についても知っていただくことが重要です。出生前診断をお考えの妊婦さんには一度お読みいただき、検査を受けることについて十分お考えいただきたいと存じます。

出生前検査とは

出生前検査とは、胎児が生まれつき内臓の形の異常や染色体異常(先天異常)をもっていないかなどを、わかる範囲で、お母さんのおなかの中にいる間に調べる検査です。前もって知っておくことにより、母体側の健康状態も含め、生まれた後に問題となり得る症状への対応を考えたり準備したりすることができる場合があります。検査方法はいくつかありますが、あくまでも夫婦でよく話し合ってから受けるかどうかを決めていただく検査です。

先天異常について

医学的な処置が必要な先天異常(major congenital anomaly)をもって出生する児の割合は約3%と言われます。一番頻度が高い先天異常は心奇形で、1000人中約6〜7人に見られます。染色体異常は1000人中3〜4人と言われますが、種類によっては胎内で亡くなるケースも少なくありません。
先天異常が生じる原因としては、両親の遺伝的因子、環境因子、あるいはその両方の組み合わせ(多因子)、母体のウイルス感染に伴う場合などがあります。ただ、原因不明のことも少なくありません。
遺伝的因子の場合、
・染色体異常・・・
染色体数の異常や染色体の部分的な欠失・重複など
(≒遺伝子数の不均衡)
・単一遺伝子変異・・・一つの遺伝子の異常(≒遺伝子の機能異常)
が考えられます。
環境因子の例としては、葉酸不足や、一部の薬物摂取・飲酒・喫煙、母体糖尿病などが挙げられます。
多因子による先天異常の成り立ちとしては、特定の環境因子への個人の体質を、遺伝的因子が高める可能性も考えられています。口唇・口蓋裂や特定の心奇形、神経管奇形などがその例として挙げられます。

出生前検査の種類

出生前検査は胎児になにかしらの病気がないかを診断する検査で、主に染色体異常を対象とした遺伝学的検査と心臓や脳・消化器などの臓器の異常を診断する形態学的検査(超音波検査)があります。

遺伝学的検査にはその病気が存在しているかの確率をみる非確定的検査と診断を確定する確定検査があります。非確定的検査には母体血清マーカー検査(クアトロテスト)や胎児の後頚部浮腫を測定するNuchal translucency (NT) 検査などがあります。診断を確定する検査には絨毛検査、羊水検査があります。非確定的検査では診断を確定することが出来ませんので、確率が高いとご心配な妊婦さんは診断を確定するためには羊水検査か絨毛検査を受ける必要があります。


遺伝的検査の種類

遺伝学的検査は一般に行う検査ではなく、特別な理由や強い希望のある妊婦さんのみが受けることができる検査です。胎児超音波スクリーニング検査はほぼすべての妊婦さんを対象に行っています。

当センターで行っている検査は週数別に以下のようになります。


週数別出生前検査

超音波検査について

当センターでの健診では胎児の発育や羊水量などの超音波検査を診察室で行うこともありますが、それとは別により詳しい検査として妊娠中期(20週ごろ)、妊娠後期(30週ごろ)に2回の胎児超音波スクリーニング検査を行っています。この検査でわかることは胎児の発育(推定体重)、羊水の量、胎児の主要臓器の異常の有無、胎盤・臍帯の異常の有無などです。この検査の目的は異常が早く見つかることにより、出生後の児の状態を予測することや出生直後から治療が必要な病気であれば、その準備をすることが可能となることです。また、妊娠中の過ごし方に注意が必要な場合もあります。胎児の異常は超音波でわかる場合とわからない場合がありますが、出生後に治療が必要な病気についてはおよそ50-70%の確率で見つかります。異常が見られた場合や疑われた場合は主治医より説明があり、精密検査をいたします。胎児超音波スクリーニング検査は健診とは別に予約を取り、超音波検査室で検査を行います。

胎児超音波スクリーニング検査は外来主治医が必要と判断した場合や精密検査が必要と判断される場合、妊婦さんご本人の希望がある場合に行っていただき、結果をお知らせするようにと考えています。

母体血清マーカー検査(クアトロテスト)とは

妊婦さんから採血した血液中の成分の濃度より、胎児における一部の病気の確率を計算する非確定的検査です。

これらの成分は子宮内の胎児または胎盤から放出されており妊娠ごとに値は異なります。一部の病気では、これらの成分値が増減することが知られています。出産時年齢に相当したリスクに、この成分値の増減を加味して病気の確率が算出されます。

クアトロテストとは、妊娠15〜18週に4種類のホルモンの値を測定し、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、開放性神経管奇形についての確率を計算する検査です。採血から結果がでるまでに、1週間〜10日かかります。

ただし、確率の検査(非確定的検査)ですので、陽性(または、確率が高い)と結果がでても確定診断ではありません。結果により確定的検査をご希望される場合は、羊水検査を受けることができます。

この検査は通常の妊婦健診の検査項目には含まれておりませんので、ご希望の妊婦さんは担当医にご相談下さい。

羊水検査とは

羊水中に浮いている胎児由来の細胞を羊水とともに吸引し、染色体検査を行う確定的検査です。

当センターでは、通常、妊娠16週以降で行っています。染色体検査(Gバンド法)の結果が出るまでに、約2〜3週間かかります。必要のある場合には、一部の染色体の数的異常を調べるFISH法という迅速法を併用することもあります。胎児自身の細胞を直接調べますので、結果は確定診断になります。検査中は、超音波機器を用いて胎児や胎盤を避けて穿刺しますが、子宮に針を刺したことによる破水、出血、感染がおこりえます。多くの場合は適切な処置で対処できますが、それに続く胎児死亡や流産につながるリスクがあり、一般的にその確率はこの検査を受けた300人に1人と言われています。

羊水検査でわかる染色体異常は、先天異常の一部のみであり、すべての胎児の病気がわかるわけではありません。

羊水検査の内容につき詳しく説明をご希望の場合は、専門外来を受診していただいております。

絨毛検査とは

絨毛とは胎盤の組織を構成している部分のことで、胎児と由来が同じであるため、それを採取して染色体検査を行う確定的検査です。

 採取方法はお腹の上から穿刺して採取する経腹法と腟から専用の器具を用いて採取する経腟法があり、どちらを選択するかは検査時の胎盤の位置などにより決めます。胎盤の位置などによっては絨毛検査が不可能で、羊水検査の時期まで待っていただくこともあります。染色体の検査法は羊水検査と同じようにGバンド法で行います。必要があればFISH法も併用します。検査の時期は妊娠11〜14週頃で、検査による流産のリスクは約100人に1人と言われています。

また、絨毛細胞は完全には胎児の細胞と同じではないことがあり、胎児は全く正常なのに絨毛細胞では正常な細胞と異常な細胞が混ざり合っていることが約1%あります。これを胎盤性モザイクと言いますが、そのような結果が疑われたときはもう一度、羊水検査で染色体検査をすることがあります。

ただし、絨毛検査は当院では施行していません。ご希望の場合は県外施設での施行となります。

NT(Nuchal Translucency)検査(後頚部浮腫測定検査)

(1)NT+超音波マーカー

Nuchal Translucency(NT)(後頚部皮下の超音波で黒く見える領域)は、どの胎児にも見られる超音波画像です。妊娠初期のある時期に、この胎児の首の後ろが厚く、むくみ(後頚部浮腫、Nuchal Translucency(NT)の肥厚)がある場合、一部の病気を持つ可能性が高いことが知られています。

このむくみを見つける時期は、胎児の頭殿長(大きさ)が45〜84mmの期間と決まっており、およそ妊娠11週半ば〜妊娠13週がその時期に相当します。この時期に、首の後ろの皮下の厚みが、正常範囲と比較して厚い場合には、染色体異常や心臓など内臓の病気を持っている可能性が、むくみのない胎児と比べ高いと言われています。染色体異常のうち21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーについては、年齢相当のリスクを踏まえて計測値から確率を計算する非確定的検査です。

但し、むくみが見られても、病気がない胎児がいることも知られています。

NTに加えてその他の超音波マーカー・・・胎児鼻骨(NB)、胎児静脈管血流(DV)、胎児三尖弁血流(TR)、胎児心拍数(FHB)・・・を加えて評価することにより、より染色体異常を持つ児を見つける率(検出率と言います)が高くなると言われており、当院ではNT+その他の超音波マーカーによる評価を行っています。リスクの計算はイギリスの胎児診断機構(Fetal Medicine Foundation)に基づく超音波計測の資格を持った検者が超音波計測を行い、実際の胎児から得られたデータに基づいたリスク計算ソフトを用いて染色体異常の確率を計算します。ただし検査には時間と技術を要するため予約枠数を超える場合には施行できないことがあります。

(2)NT +母体血清マーカー(コンバインド検査)(臨床検査)

NTなど超音波マーカーの測定には技術がいること、時間がかかること、検者によって差が生じる(検査結果が不安定になる可能性)があるため、より簡便により客観的なデータの方法として、NT+母体血清マーカーを用いて胎児染色体異常の確率を計算する非確定的検査がNT+母体血清マーカー(コンバインド)検査です。欧米で最も良く利用されている胎児染色体異常のスクリーニング検査がコンバインド検査です。
 

通常の妊婦健診においては、この後頚部浮腫やその他の超音波マーカーを測定するなど精密な超音波検査を行うことは困難ですので、専門外来を受診していただく必要があります。


NT計測

検査法の比較

非侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)とは (臨床研究)

妊婦さんから採血した血液に含まれる胎児由来のDNA断片量より、胎児における一部の病気の確率を計算する非確定的検査です。妊娠10〜16週に採血を行い、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーについての確率(陽性、陰性、判定保留)を計算する検査です。採血から結果がでるまでに、2〜3週間かかります。
現在、日本では臨床研究として日本医学会による認定施設にて検査条件を満たす方を対象に行われています。検査対象者は、(1)以前の妊娠・分娩で児が13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーであったことが確認されている方、(2)出産予定日の年齢が35歳以上である方(凍結胚の場合は卵子年齢に準ずる)、(3)胎児が染色体異常のうち13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーのいずれかに罹患している可能性を指摘された方、です。従来の超音波(NT)検査や母体血清マーカー検査より精度が高くなりましたが、あくまでも確率の検査(非確定的検査)ですので、陽性と結果がでても確定診断ではありません。陽性の場合は確定診断のために絨毛検査や羊水検査を受けることになります。
当院ではNIPTは施行していません。ご希望の場合は、施行している施設の専門外来を受診していただく必要があります。

染色体・DNA・遺伝子とは

わたしたちの体を構成する数十兆個の細胞全てに、「染色体」と呼ばれる構造物が入っています。「常染色体」が44本(1番〜22番、各2本ずつ)、主に性別決定に関わる「性染色体」が2本(男性はXとY、女性はXが2本)の合計46本という構成です。染色体は両親から23本ずつ(常染色体22本、性染色体1本)受け継ぎます。通常の染色体の型(核型と呼びます)を男性では46,XY、女性では46,XXと表記します。
染色体は、「DNA」と、DNAに結合したタンパク質から構成されています。DNAの一部が、「遺伝子」と呼ばれる遺伝情報の設計図(A、T、G、Cという4種類の塩基が連なり、設計図を構成)となっており、一本のDNA上に数百〜千数百個の遺伝子が断続的に配置されています。遺伝子の属する染色体番号、数、並んでいる順番などは全人種共通です。その設計図を元にして、それぞれが決まった機能を有する数万種類にも及ぶタンパク質が作られ、それらがわたしたちの体を構成し、生きていく上で重要なあらゆる機能を担っています。
染色体異常とは、染色体数の異常や、構造異常による染色体の部分的
な欠失・重複などが生じていることを指します。結果として遺伝子数の過不足が起きることで、様々な症状が出現する場合があります。以下に代表的な染色体異常症についての説明をします。

21トリソミー(47,XY,+21あるいは47,XX,+21)

21トリソミーは、最初に発表した医師の名前からダウン症候群とも呼ばれています。トリソミーとは、同じ番号の染色体が3本ある状態を指します。原因はほとんどの場合、精子や卵子が形成される過程で起きる染色体不分離と呼ばれる偶発的な現象です。通常は両親から同じ番号の染色体を1本ずつ受け継ぎ、計2本になるため、21番染色体上の遺伝子も2個ずつ保有していることになります。それに対して21トリソミーの胎児の場合、父親あるいは母親いずれかから2本の21番染色体を受け継いでいるため、21番染色体上の遺伝子を各細胞に3個ずつ保有していることになります。その他の番号の染色体に含まれる遺伝子との数のバランスが崩れることで発達の遅れが見られたり、心臓・消化器奇形なども合併したりすることがあります。出生頻度は約800人に1人です。トリソミーは、母親の年齢上昇に伴って頻度が増えることが知られていますが、父親の精子形成時の染色体不分離が原因となることもあります。

18トリソミー(47,XY,+18あるいは47,XX,+18)

18番染色体が各細胞に3本ずつ存在します。原因はほとんどが精子や卵子形成時の染色体不分離です。出生頻度は約8000人に1人です。重度の発達の遅れ、心臓をはじめとする内臓の奇形など、様々な症状が現れます。胎児期や新生児期に亡くなることが多い染色体異常です。

13トリソミー(47,XY,+13あるいは47,XX,+13)

13番染色体が各細胞に3本ずつ存在します。原因は一部の例外を除き、ほとんどが精子や卵子形成時の染色体不分離です。出生頻度は約10000人に1人です。重度の発達の遅れ、心臓・脳やその他の奇形など、様々な症状が現れます。胎児期や新生児期に亡くなることが多い染色体異常です。


出産時の母体年齢と各トリソミーにおける出生頻度

クラインフェルター症候群(47,XXY)

男性の性染色体はXとYが一本ずつですが、クラインフェルター症候群の場合、X染色体を2本とY染色体を1本もっています。頻度は男性のなかの約600〜800人に1人です。ほとんどの場合不妊症を合併することや、体質的に、両親から予測される身長よりやや高くなることが知られています。母親の年齢上昇に伴って頻度が増えることが知られていますが、父親の精子形成時の染色体不分離が原因となることもあります。

ターナー症候群(45,X)

女性の性染色体はXが2本ですが、ターナー症候群の場合、X染色体を1本のみもっています。染色体検査上、45,Xの細胞のみ認める場合もありますが、45,Xと46,XXあるいは46,XYの細胞などとのモザイク(異なる核型をもつ細胞が2種類以上混在している)もしばしば見られます。約99%のターナー症候群の胎児は自然に流産すると言われており、出生頻度は女児の約2500人に1人です。低身長、不妊症を合併しやすく、心臓や腎臓の奇形を伴うこともあります。多くは父親の精子形成時の染色体不分離が原因となりますが、母親の卵子形成時の染色体不分離が原因となることもあります。

先天異常の児をもつ家族のための自助グループのご案内

 

よくあるご質問 Q&A

Q 今までの妊婦健診の超音波検査で特に問題ないと言われています。病気の赤ちゃんが生まれる可能性はないということですよね?

A 赤ちゃんに先天異常がある割合は、全妊婦さんにおいて3%程度と言われています。その中には、妊娠中の超音波検査でも診断がつかない病気も含まれています。胎児診断の専門家による超音波検査を妊娠中に受けた場合でも、生後に治療が必要な病気の6割程度しか出生前に診断されないと報告されています。

Q 今回3人目の妊娠です。身内や上の子2人にも特に病気はありませんが、私にも病気の赤ちゃんが生まれてくる可能性があるのですか?

A 赤ちゃんの病気のうち、遺伝的に家族内で発症する病気はごく一部のみであり、ほとんどが偶発的に妊娠ごとに起こる病気です。ご家族に今まで大きな病気がなくても、病気の赤ちゃんが生まれる可能性はあります。

Q 高齢妊娠だと言われました。病気の赤ちゃんが生まれてくる可能性はどのくらいあるのですか?

A 高齢妊娠かどうかにかかわらず、すべての妊娠において赤ちゃんが何らかの病気を持って生まれてくる可能性(3%)があります。その内、一部の染色体の病気については、高齢妊娠との関連が報告されています。トリソミーと呼ばれる染色体の数の異常です。トリソミーについては、年齢ごとの出生頻度が経験的に報告されています。表2を参照してください。

Q 男性(夫)の高齢化は赤ちゃんの病気に関係ないのですか?

A トリソミーと呼ばれる一部の染色体の数の異常は、女性の高齢化と関連があると言われています。このトリソミーは、男性の高齢化とは関連しませんが、男性の高齢化は、染色体ではなく遺伝子異常による病気と関連があると言われています。ただし、現在の医療レベルでは、この遺伝子の病気をすべて調べることは不可能です。

Q 体外受精で妊娠しました。それによって、赤ちゃんの病気は起こりやすくなりますか?

A 世界で初の体外受精による赤ちゃんの誕生は1978年、顕微授精による赤ちゃんの誕生は1992年で、現在もその後の経過が日々確認されているところです。現在のところ、体外受精という妊娠方法そのものによって赤ちゃんの病気が増えるとの結論は出ていません。

Q 流産したことがあり、原因は染色体異常によるものだろうと言われました。その後の妊娠でも染色体異常を繰り返しやすいのでしょうか?

A 妊娠反応が確認された妊娠のうち、約15%は自然流産に至るとされ、その原因のほとんどが偶然の染色体異常によるものとされています。個々の妊娠において偶発的に起こった染色体異常のうち、ほとんどは自然淘汰され妊娠12週ごろまでに流産に至ります。このような自然流産は、一度経験したことで次回も繰り返しやすいということはありません。しかし、何度も繰り返す場合(不育症)には、その他の原因が隠れている可能性もあります。

Q  NT(Nuchal Translucency)検査(後頚部浮腫測定検査)を希望しています。妊婦健診のときに一緒に見てもらえるのですよね?

A  NT(Nuchal Translucency)検査(後頚部浮腫測定検査)は、測定時期が厳密に規定されており、たとえその期間外に後頚部浮腫(NT)を測定しても検査的意義はありません。通常の妊婦健診では、妊娠24週までは4週間ごとの健診が一般的で、必ずしも妊婦健診日がNT測定時期に相当するとは限りません。また、妊婦健診時にこの後頚部浮腫(NT)を測定する精密な超音波検査を行うことは困難ですので、検査をご希望の方はご夫婦で相談の上、妊婦健診とは別にNT計測の専門外来を受診していただく必要があります。

Q 日本ではどのくらいの出生前検査が行われているのですか?

A 日本ではこのような出生前検査のうち、形態学的検査である超音波検査はほぼすべての妊婦さんに行われていますが、遺伝学的検査については現在、諸外国のように積極的に情報提供をする方針ではありません。但しご夫婦がご希望の場合には遺伝カウンセリングを受けていただき、検査の内容などご理解いただいた上で、検査を受けることも可能です。

最近の調査では、2008年の109万分娩中(うち23万人が高齢妊婦)母体血清マーカー検査は1万8000件(1.7%)、羊水検査は1万3000件(1.2%)行われていました。

Q 出生前検査は受けたほうがいいのですか?

A 出生前検査は通常の妊婦健診項目の中には含まれておらず、ご夫婦の自由意思で受ける自費検査です。当センターでは、出生前検査のうち胎児超音波スクリーニング検査はほぼすべての妊婦さんを対象に、遺伝学的検査は希望のある妊婦さんのみに行っています。出生前検査を受けた場合でもわかることとわからないことがあります。さらに診断がついても治療法がない場合もありますので、出生前に診断することが必ずしも益にならない場合があります。また結果によっては妊娠を中断するかどうかの決断に直面する場合があるかもしれません。この冊子をよくお読みになり、ご夫婦でよくご相談の上、検査を希望するかどうかお考えください。


当センター




PAGETOP