ページの先頭です。

メニューを飛ばしてメインへ

メイン画像

尿路結石について

2020/01/15

尿路結石について

尿のなかに含まれているカルシウムやシュウ酸、リン酸などが蛋白質などと結合し固まったものを尿路結石といいます。尿管につまると「せん痛発作」と呼ばれる激しい痛みが脇腹、背中におこります。働き盛りの壮年の方に多い病気です。約7,000年前のミイラに膀胱結石が発見されており、古代ギリシャ時代にすでに膀胱結石の手術が行なわれた形跡があります。このように結石の歴史はたいへん古いのですが、科学の発達した現在でも発生の原因は十分解明されていません。

尿路結石症は文明病とも言われ、アメリカやヨーロッパでは第一次世界大戦後に、日本では第二次世界大戦後の高度経済成長期に、国民の生活水準、特に食生活が良くなるに連れて増加しました。現在、日本人が生涯に尿路結石を患う比率は100人に約4〜5人となりました。また、尿路結石症は再発しやすい病気で、食事療法を行なわなかった場合には、5年間で半数以上の人に再発すると言われています。

尿路結石の治療

尿管につまった結石の90%以上は尿と一緒に自然に排出されます。結石を出やすくするよう水分を多くとり、痛みのないときにはランニングやなわとびをしながら排出を待ちます。痛みさえなければいつもどおりの仕事や家事も大丈夫です。アズキくらいまでの大きさの石は自然にでる可能性が高いので、痛み止めを使いながら排石を待つ場合が多くなります。尿管を拡げて結石の下降をうながす薬を処方しますが、一番大切なことは水分をしっかりとって尿量を増やすことです。残念ながら一部の成分を除き結石を「溶かす薬」はありません。

なかなか自然に降りない場合、痛みなどの症状が続く場合には治療が必要になります。「おなかを切る」手術にかわって、最近では、内視鏡(ないしきょう、からだの中をのぞく装置、泌尿器科では膀胱や尿管の観察に用います)による砕石手術や、体外衝撃波結石破砕術(たいがい しょうげきは けっせき はさい じゅつ、英語でESWLと略します)が広く行われています。

内視鏡による砕石手術

膀胱や尿管の結石は内視鏡により破砕することができます。麻酔をかけて内視鏡を尿道から膀胱、尿管へと挿入し、結石を確認してレーザーなどで少しずつ砕石します。長期間排出しない結石や下部尿管の結石は内視鏡手術のよい適応になります。最近では内視鏡の細径化や破砕機器の進歩により腎結石や上部尿管の結石に対しても確実に砕石が可能な内視鏡手術を行う場合が増えてきました。当院では硬性尿管鏡と軟性尿管鏡を両方使用し、リソクラストやホルミウムレーザーなどの器械を使った砕石術を行っています。短期間の入院、麻酔が必要となりますが、確実な治療が可能です。

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

からだの外から衝撃波(しょうげきは)を結石に照射して、強力なエネルギーによって結石を砂粒状に粉砕させる方法です。細かく砕かれた結石は尿とともに自然に排出されます。

もともと衝撃波は旧西ドイツで開発が進められました。実は、第二次世界大戦前、ナチスドイツが衝撃波を兵器として研究をはじめたことがきっかけです。潜水艦や戦車の中の兵隊を攻撃する武器としてヒトラーが目をつけたわけです。戦後しばらくして、硬いものだけをこわす衝撃波の特徴が尿路結石の治療に応用されました。ESWLは衝撃波の平和利用の成果です。西ドイツでは1972年から研究開発が行われ、1980年から実際に病院で使われるようになりました。
日本には1984年に導入され、1985年からは一般の治療として厚生省に認可されています。

ESWLは非常に安全な治療で、結石を砕くだけでからだのほかの部分にはほとんど影響がありません。実際の治療では鎮痛剤や軽い麻酔を必要としますが, 術後の痛みは軽度です。一時的に、血尿、発熱などが認められることがありますが、日帰りでの治療が可能です。

当院では現在ESWLを行っておりませんので、ご希望の患者様には近隣の施設を紹介します。


日本では、結石を患う比率は100人に5人といわれており、非常に頻度の高い病気です。再発率も高く、せっかく治療しても数年後にまた結石ができた方も数多く経験します。以前は結石の治療といえば外科的手術が当たり前でしたが、体外衝撃波結石破砕術や内視鏡手術が発展し「おなかを切る手術」はほとんど行われなくなりました。でも、治療が楽になったからといって油断してはいけません。

尿路結石症は高血圧症や高脂血症とおなじく生活習慣病(メタボリック症候群)のひとつです。まずは日々の食生活に注意が必要です。


内視鏡による砕石術

内視鏡による砕石術

結石を予防する食事とは

これまで尿路結石の再発予防にはカルシウムの制限が大事であると言われてきましたが、むしろカルシウム不足によりシュウ酸の吸収と尿への排泄が増えて逆に結石形成を促進することが分かりました。もともと日本人はカルシウムが不足気味ですので、普段よりカルシウムを多めに取るよう心がけてください。また、シュウ酸を多く含む食品(ほうれんそう、たけのこ、コーヒー、紅茶など)を食べるときにはカルシウムを同時に取ることが大切です。例えば,ほうれん草やたけのこには削り節をかける、コーヒーや紅茶にはミルクをいれる、など、食事の組み合わせを工夫して下さい。

動物性蛋白質や脂肪は尿のなかのカルシウムや尿酸を増加させます。肉類のとりすぎはいけません。また塩分も尿中のカルシウムを増加させます。塩辛いものも控えたほうがいいでしょう。逆に、野菜、穀物、海草には結石の発生を予防する働きがあります。

水分を十分取ることは結石の再発予防にとても効果があります。緑茶、麦茶、ウーロン茶、ミネラルウォーターなどを中心に一日の尿量が1.5リットル以上になるように心がけてください。よく結石にはビールが効果的といわれますが、ビールにはかなりのシュウ酸が含まれています。また尿酸を増加させる働きもありますから再発予防という点からはあまりお勧めできません。

結石は夜眠っている時に出来るといわれています。夕食は軽めに、夜遅くに肉類などを取らないようにすることも大切です。

尿路結石症は生活習慣病(メタボリック症候群)のひとつです。予防にはまず日々の食事に気をつけてください。



PAGETOP