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健康診断で腎臓の早期がんが発見されるようになりました

2020/01/15

超音波検査やCT検査で症状のない小さな腎臓のがんが発見されるようになりました。今回は腎臓のがん(腎細胞がん)について説明します。

腎臓とは


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おへそのやや上方の背中側で、左右に1対(2個)あります。主な役割は尿を作ることで、血液のなかの老廃物をろ過し、尿として体外に排泄します。
その他、血圧の調整や貧血を改善する働きもあります。

腎細胞がんの特徴

腎細胞がんは尿を作る細胞が癌化しできます。40歳代から増え、50歳代で最も多く発見されます。男性は女性より約2倍頻度が高く、男性に多い病気といえます。腎細胞がんは、大きくなると血尿が出たり、お腹に固まりができたり、痛みが出たりします。しかし、小さいうちは多くの場合症状がありません。以前は早期発見が難しかったのですが、最近は、超音波検査やCTの普及によって、症状のない小さい腎細胞がんが見つかるようになりました。

腎細胞がんの診断

  1. 超音波検査

お腹や背中にプローべと呼ばれる器械をあてて、腎臓を超音波で検査します。がんの大きさや性質がわかります。身体に負担がなく、腎細胞がんの検診には最も適した検査です。


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2.CT
エックス線とコンピュータを組み合わせた検査です。小さながんを発見するのに適しています。
同時に、周囲へのひろがりやリンパ節などへの転移なども調べることができます。

腎細胞がんの病期(進行の程度)

腎細胞がんの進行の程度は次のように分類されます。
I期:がんの大きさは7cm以下で、腎臓内だけに存在します。
II期:がんは7cmを越えますが、腎臓内だけに存在します。
III期:がんが周囲の副腎や脂肪組織、血管に広がったり、近くのリンパ節に転移しています。
IV期:がんが周囲の脂肪組織をこえて広がったり、ほかの臓器に転移をしています。


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腎細胞がんの治療

がんが腎臓にとどまっている場合には手術を行ないます。手術には、がんのある腎全体を完全に摘出する腎摘除術とがんの部分だけを摘出する腎部分切除術があります。がんの大きさ、ひろがり、反対側の腎臓の働きなどを考えて手術方法を決定します。

1.腎摘除術

がんにおかされている腎臓全体を周囲の脂肪組織を含めて完全に摘出します。これは以前から広く行なわれていた方法です。手術後、腎臓はひとつになりますが、残った腎臓の働きが正常であれば日常生活には支障ありません。しかし、すでに反対側の腎臓の働きが低下している場合や、糖尿病、高血圧などの合併症がある方では、手術後、腎機能が低下する可能性があり、慎重な経過観察が必要です。


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2.腎部分切除術(腎温存手術)

右の図のように、がんの部分を摘出し、正常な部分の腎臓を残す手術です。以前から腎臓がひとつしかない場合やすでに腎臓の機能が低下している場合には優れた方法として行われていました。最近では腎臓がふたつある場合にも、がんがおおむね4cmより小さい場合には積極的に行われるようになっています。がんの周囲の正常な部分も付けて完全にがんを取り除けば、将来の再発の危険性は従来の腎摘除術と差はありません。


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3.手術方法について

以前の腎臓の手術は大きく開腹して行うのが普通でした。現在でも10cmを超える大きな腫瘍や大血管内へひろがるようなものに対しては開腹手術が必要になります。しかし大半の方については腹腔鏡下手術や、腹腔鏡を併用した小切開手術で行うことが可能です。小切開手術については県下で唯一の認定施設です。当科では症例に応じて適切な手術方法を提示します。
小切開手術については日本ミニマム創泌尿器内視鏡外科学会のホームページをご参照ください。

4.転移した場合

手術後に転移が出てきた場合や、手術ができないほど進行している場合でも分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬、あるいはその併用療法などによる治療法があります。根治することは困難ですが、進行の抑制には効果があります。

腎細胞がんの治療経過

小さな癌は90%以上治癒しますが、サイズが大きくなるにつれて治癒率は下がります。当科の病期別治療成績を下図に示します。腎細胞がんは小さなうちに発見し、手術を行なうことがとても大切です。
症状はなくても定期的な人間ドックや健康診断での尿検査や腹部の超音波検査をお勧めします。また、血尿は腎細胞がんのサインのことがあります。健診で血尿を指摘された場合にはかならず泌尿器科を受診して精密検査を受けてください。

 

図 当科の腎細胞がん病期別治療成績(2005〜2011年の手術症例)


当科の腎細胞がん病期別治療成績



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