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膀胱がん−診断と治療法−

2014/04/14

膀胱がんは泌尿器科がんの中では前立腺がんに次いで多いがんで、70歳代を中心とした高齢者に好発します。男性に多く、女性の4倍の発生頻度です。たばこを吸う方には2〜4倍多くできるといわれています。初期の膀胱がんの多くはポリープとして観察されます。

1.症状

膀胱がんの80%以上の症例で肉眼的な血尿が見られます。ただ、いつも血尿というわけではなく、血尿が出ても次からはすっかりきれいな尿に戻る場合もあります。特に、高齢者での肉眼的血尿では1回限りの血尿でも膀胱がんを疑っての検査が必要です。

2.検査 


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まず検尿を行います。一見きれいな尿でも顕微鏡で観察すると血尿ということもあります。また、尿の中にがん細胞が混じっていることもあり、尿細胞診検査がきっかけで膀胱がんが発見される場合もあります。尿検査で異常がある場合には膀胱鏡検査を行います。
膀胱鏡は19世紀の終わりにドイツで開発され急速に普及しました。胃カメラや大腸ファイバーなど身体のなかを覗くカメラ(内視鏡)はこの膀胱鏡から発展しました。日本でも20世紀はじめに国産の膀胱鏡が開発されました。最近まで膀胱鏡は金属製の硬性膀胱鏡が主流でしたが、最近は、軟性膀胱ファイバースコープが普及し、検査に伴う侵襲性が軽減されました。
座薬などの軽い痛み止めで検査が可能です。
超音波検査は膀胱がんのスクリーニング検査として有用です。尿がたまった状態で検査を行えば膀胱の内部の状態が観察できます。

3.進行の程度(病期分類)

膀胱粘膜あるいは粘膜下層までのがんを表在性膀胱がん、膀胱筋層あるいは周囲組織まで達するがんを浸潤性膀胱がんと分類します。さらに進行すると、リンパ節や肺、骨などに転移をします(転移性膀胱がん)。
病期分類のために膀胱鏡検査に加えて、CTやMRIを行います。


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4.治療

治療法はがんの進行具合(病期)によって決まります。

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT):
表在性膀胱がんに対しては経尿道的腫瘍切除術を行います。全身麻酔あるいは半身麻酔を行い、尿道から切除用膀胱鏡を挿入し先端の電気メスでがんを切り取ります。カメラによる手術で開腹は必要ありませんが、残念ながら術後50〜70%で膀胱の中に再発するといわれています。当科では再発率を少しでも減らすため、がんを細切せず一塊として切り取る経尿道的膀胱腫瘍一塊切除術(TURBO)を行っています(下図参照)。また、再発予防として、抗癌剤やBCGを膀胱内に注入することがあります。


TURBO 症例 症例

膀胱全摘除術:
浸潤性膀胱がんに対しては膀胱全摘除術を行います。膀胱がなくなるので尿流の確保のため尿路変更術が必要になります。尿路変更術としては小腸の一部を利用した回腸導管が一般的です。手術後には臍の右側にストーマができ、採尿バックを貼り付けます。症例によっては尿道から自然排尿が可能な自排尿型代用膀胱を選択することもできます。ストーマがなく術後の不都合が少ない術式ですが、尿失禁などの問題点もあります


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手術は行わず抗がん剤に放射線療法を併用する治療法もあります。浸潤性膀胱がんではこのようにいくつかの治療があり,治療により今までの生活が損なわれる場合も出てきます。個々の患者さんが担当の医師とじっくり話し合って納得の上で治療にとりかかることが特に必要です。

5.治療成績

表在性膀胱がんがただちに命にかかわることはありませんが、50〜70%の方で膀胱の中に再発します。また,10〜20%に浸潤性膀胱がんへの進行が認められます。いったん治療がうまく行っても定期的な膀胱鏡検査が必要です。
浸潤性膀胱がんに対して膀胱全摘除術を施行した場合の5年生存率は約60%です。抗がん剤+放射線療法では治療がうまくいけば膀胱を残すことができますが膀胱全摘除術に比べ成績はやや劣ります。転移のある膀胱がんに対しては抗がん剤を中心とした治療が行なわれますが成績はよくありません。

6.まとめ

膀胱がんは表在性のうちに発見すれば命にかかわることはまずありません。なにより早期発見が大切です。目で見て赤いオシッコに気づいたとき、健診で血尿を指摘された場合にはすぐに泌尿器科を受診して下さい。




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