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医療事故の個別公表(R元.12.27)について

2020/01/07

医療事故の個別公表

甲状腺手術後の出血により気道閉塞、低酸素脳症を来たした事例

<概要>

1.患者   40代  女性

 

2.経過
 1)腺腫様甲状腺腫疑いに対して甲状腺左葉切除術を施行。閉創時には入念に止血を確認し手術を終了した。
 2)帰室から1時間半後、頸部の腫脹と呼吸困難の訴えを確認し主治医に報告した。
 3)主治医は別の手術中で、他の医師2名が診察した。患者に意識はあり、頸部腫脹と呼吸苦を認めていたため、すぐに止血が必要と判断し、緊急止血術を予定し準備をしている最中に患者が心肺停止となった。
 4)直ちに胸骨圧迫を開始し気管挿管を実施、心拍は再開した。来室した主治医がその場で開創血腫除去を施行。緊急コードで急行した医師が、食道挿管になっていることを確認し気管への再挿管をした。その後、手術室で止血術を実施した。
 5)術後は鎮静、人工呼吸管理下に保存的加療を行ったが、痙攣が頻発した。気道確保までに時間を要したことから、低酸素脳症を疑った。
 6)その後、痙攣・高血糖・高体温を避ける治療を継続し、徐々に痙攣と意識レベルは改善した。現在低酸素脳症による運動機能障害で、日常生活動作の低下を認めており、機能回復を目指してリハビリを継続している。

 

3.原因
 1)術後出血による気道閉塞を来たし、心肺停止に至った。
 2)甲状腺手術直後で頸部腫脹があり、血腫による頸部圧迫と浮腫のため喉頭展開が難しく、気管挿管が非常に困難であった。そのため、呼吸停止から気道確保までに時間を要した。

 

4.再発防止策
 1)『甲状腺・副甲状腺手術に伴う術後出血管理マニュアル』を作成し、術前に術後出血リスク評価を行い、術中・術後の管理体制、観察・記録・報告、緊急時の対応を明確化し周知徹底を行った。
 2)甲状腺手術説明同意書を改訂し、患者さんとご家族に、術後出血の危険性や緊急時の処置について詳細に説明し、手術の同意を得るようにした。



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