病院長挨拶
病院長からのご挨拶
高知医療センターは、2005年3月に高知県立中央病院と高知市立市民病院を統合して開院し、今年で20年目を迎えています。
2020年2月に新型コロナウイルス感染症が流行して丸4年が経過しました。この間、県民・市民の皆さま、本当にご苦労さまでした。当院を含む県内の医療・介護関係者の皆さまをはじめ、新型コロナウイルス感染症の対応にご尽力されたすべての方々にも敬意を表し感謝の意を述べたいと思います。当院は、感染症指定医療機関(重症者対応医療機関)として、当初は軽症者から重症のすべての患者さん、途中よりリスクの高い軽症者および中等症から重症の多くの新型コロナウイルス陽性患者さんの入院治療に取組み、皆さまのご協力もあって、高知県内で医療崩壊を起こすことなく多くの患者さんの療養に携わることができました。通常の、がん、救命救急、総合周産期母子医療、こころのサポート等の診療に関しても、一時的な診療制限を行わざるを得なかった時期もありましたが、早期治療の必要な患者さんに対しての診療をほぼ継続できたと思います。昨年5月から新型コロナ感染症は5類感染症に移行し、本年4月から新型コロナは、通常の医療体制での対応に完全に移行しました。今後も終息することはないと思われますが、当院は今後も感染症に罹患した患者さんに対する加療を他医療機関とともに真摯に対応してまいります。
さて、2024年度がスタートしました。働き方改革の中で、医師の時間外労働に関する上限規制適用が開始されました。当院でもその影響で年度末での転勤・退職に伴う麻酔科医等の減少により、4月から当院で対応できる手術件数の減少が見込まれています。影響が最小限となるよう最大限の努力をいたしますが、良性疾患や悪性(がん)の可能性が低い場合などには手術実施日が遅くなる可能性があり、また地域医療機関で対応可能な手術症例については他医療機関への転院をお願いする可能性があります。患者さん、ご家族の皆様方にはご心配をおかけいたしますが、ご理解とご協力の程お願い申し上げます。また、医療機関関係者の皆さまにおかれましては、転院等のご相談をお願いした場合にご協力いただきますようお願い申し上げます。
当院には地域医療連携を基本とする地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院として、県全体の高度急性期および急性期医療を行う中核病院としての機能を発揮し、安心で安全な質の高い医療を提供する責務がございます。がん診療などの高度急性期医療に関し、2022年6月には遅ればせながらロボット支援胸・腹腔鏡下手術(ダ・ビンチ)を導入し、同年10月より複数の診療科で同手術を開始いたしました。1年半余を経過し順調に滑り出しておりますので、この分野においても引き続き多職種連携・協働による「チーム医療」を実践してまいります。がん、救命救急、総合周産期母子医療、こころのサポート等の診療に関しましても、私ども職員一同協力して「チーム医療」の実践に努め、当院の役割を果たしてまいります。
さらに基幹災害拠点病院、へき地医療拠点病院、臨床研修指定病院としての役目も果たしながら、地域医療機関の皆さまとのより密接な連携を進め、高知県の医療を守る中心的な医療機関のひとつでありたいと思います。
最後になりましたが、当院の理念は「医療の主人公は患者さん」です。患者さんが安心して安全に高度な医療を受けていただけますよう、当院内の6局6センターが相互に連携して努力を続け、当院が受持つ役割、病院機能をひとつずつ確実に果たし続けてまいります。
県民市民の皆さま、関連する医療機関・介護施設等の皆さまのご理解ご協力ご支援に厚くお礼申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
病院長 小野 憲昭