病院長挨拶
病院長からのご挨拶

高知医療センターは2005年3月に高知県立中央病院と高知市立市民病院を統合して開院し、皆さまのお力添えによりこの3月で開院20周年を迎えることができました。
この間2020年2月に新型コロナウイルス感染症が全世界で大流行しました。県内の医療・介護関係者の皆さまをはじめ、新型コロナウイルス感染症の対応にご尽力されたすべての方々に敬意を表し、感謝いたします。当院も感染症指定医療機関(重症者対応医療機関)として、中等症から重症者、リスクの高い軽症者を含むすべての患者さんの入院治療に取組み、高知県内外の多くの患者さんの療養に関わることができました(入院加療患者数は1700名余)。令和5年5月より新型コロナウイルス感染症は5類感染症となり、現在は通常の医療体制で対応しています。この感染症は今後も終息することはないと思われますが、当院は新興感染症を含む感染症に罹患する患者さんに対し他医療機関とともに真摯に対応してまいります。
昨年度、「働き方改革」として医師の時間外労働に関する上限規制適用が開始された影響もあり、当院では麻酔・集中治療科、循環器科、糖尿病内科等の医師が減少しました。対応可能な手術件数の減少も見込まれましたが、手術実施日遅れ等の影響が最小限となるよう最大限努力するとともに、地域医療機関で対応可能な手術症例については、他医療機関への転院加療のお願いもさせていただきました。患者さん・ご家族の皆さま方にはご心配をおかけしておりますが、引続きご理解とご協力の程お願い申し上げます。医療機関関係者の皆さまには転院等のご相談にご協力いただき厚く感謝申し上げます。
当院には地域医療連携を基本とする「地域医療支援病院」や「地域がん診療連携拠点病院」、県全体の高度急性期および急性期医療を行う中核病院としての機能を発揮し、安心で安全な質の高い医療を提供する責務がございます。がん診療などの高度急性期医療に関しましては、2022年にロボット支援胸・腹腔鏡下手術(ダ・ビンチ)を導入し、複数診療科で同手術を開始しました。導入から3年弱が経過し、昨年度は400例以上の手術を施行するなど、安定かつ高水準な稼働が実現できております。また、救命救急、総合周産期母子医療、こころのサポート等の診療に関しましても、職員一同が協力しながら多職種との連携・協働による「チーム医療」実践に努め、当院の役割を果たしてまいります。これらの機能に加えて、基幹災害拠点病院、へき地医療拠点病院、臨床研修指定病院として、近隣の地域医療機関の皆さまとより密接な連携を維持・推進し、「高知県の医療」を守る中心的な医療機関のひとつとして、その役目を果たしてまいります。また、他の医療・介護施設とともに医療介護連携を深め、県内の各医療機関が持ちうる力を十二分に発揮できるよう医療機能の分化・集中を後押ししてまいります。
今後の日本や私たち医療者が歩む未来は、ますます予測が困難な変動の時代を迎えるものと推察されますが、その不確実性や社会・環境の変化に柔軟に適応していかなければならないと考えております。
当院の理念は「医療の主人公は患者さん」です。患者さんが安心して安全に高度な医療を受けていただけるよう、当院内の6局6センターが相互に連携し、多くの課題に対して柔軟な対応をして努力を続け、当院が受持つ役割、病院機能をひとつずつ確実に果たし続けます。
県民市民の皆さま、関連する医療機関・介護施設等の皆さまのご理解ご協力ご支援に厚くお礼申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
病院長 小野 憲昭