文字サイズ: 標準 拡大
背景色:

医療事故の個別公表(R2.7.13)について

2020/07/28

医療事故の個別公表

左停留精巣に対し右精巣を左陰嚢に固定した事案

<概要>

1.患者

男児

2.経過
  1. 全身麻酔下で左停留精巣に対し左精巣を左陰嚢に固定した
  2. 術後一ヶ月後の外来受診の超音波検査で、左停留精巣に対し右精巣を左陰嚢に固定していることが判明した
  3. 最初の手術から約5ヶ月後、右精巣を右陰嚢に戻し(右精巣移動術)、左停留精巣に対し左精巣を左陰嚢に固定(左停留精巣固定術)した
  4. 手術の翌日退院し術後経過は良好


3.原因
  1. 執刀直前の左右の精巣の位置確認が行なわれていなかった
  2. 術前全身麻酔下で左陰嚢の中に精巣を触知したために、挙上している精巣が、全身麻酔の影響で、精巣挙筋の緊張がとれて下降したものと誤認した
  3. 陰嚢内の中隔がはっきりしなかった
  4. 陰嚢の中隔を越えて右の精巣が左に移動することはまれなことで予測できなかった


4.再発防止策
  1. 執刀直前に、患側、健側に関わらず左右の精巣を確認する
  2. 左右の精巣が触診で確認出来ない場合は、エコーにて確認する