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医療事故の個別公表(R5.7.7)について
2023/12/11
医療事故の個別公表
子宮頸管縫縮糸遺残事案
1.患者
30代 女性
2.概要
早産既往のため子宮頸管縫縮術を行った。妊娠後期に縫縮した糸を抜去した際、糸の一部が遺残していたため、全身麻酔下で除去術を行った。
3.状況
妊娠中期に他院から紹介を受けたところ、早産既往があるため、子宮頸管縫縮術を実施した。妊娠後期に破水し来院。その時点で、医師は縫縮糸を抜糸した。その後、出産に至った。
産後、数年にわたり婦人科症状があり、他院に受診するなかで、糸の遺残が明らかとなった。
4.原因
子宮頸管縫縮糸の抜糸を実施した医師は、遺残なく抜糸をしたと判断した。その後、出産から退院までに関わった医師らは、通常の診療を行うなかで、糸が残っていることに気付くことができなかった。
5.再発防止策
- 抜糸は、医師2名で実施することを原則とする。
- 抜糸した糸は写真撮影しカルテに保存する。
- 抜糸を確実に実施するために、決まった位置(8時から9時の位置)に十分な長さ(約2~3㎝)の牽引糸を付ける。
- 抜糸の際は、まず牽引糸でループを十分に組織外に引き出し、確実にループを切断する。
- 陣痛が発来し、抜糸の確認が困難なケースは、分娩後に改めて抜糸が確実にできていることを確認する。