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血液内科・輸血科アピール

1.当科の紹介

 当科には、高知県全域から血液疾患やその疑いの患者さんが紹介されてきます。高知県は血液専門医数が全国的に見ても少なく、血液疾患を専門的に扱う医療機関が限られていることから、スタッフ一同が「高知県の最後の砦」という気概と矜持を持って職務にあたっています。紹介患者さんは、満床などの特段の事情がない限り全例お引き受けしており、夜間や休日に緊急紹介をお受けすることもしばしばあります。治療に際しては、患者さんの持つ様々なバックグラウンドや併存症を考慮しつつ、治癒を目指して包括的かつ全人的な医療を行っています。  当院および当科は、日本血液学会研修認定施設、日本造血・免疫細胞療法学会移植施設認定基準(カテゴリー1)、日本輸血・細胞治療学会認定施設、日本骨髄バンク非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞採取認定施設などの施設認定を得ており、13床の無菌室(ISOクラス7を4床、 クラス6を7床、クラス5を2床)を有しています。入院患者数は常時50名前後、新規紹介患者数は年間300名前後で、2025年度の新規患者数は急性白血病が29名、悪性リンパ腫が94名、多発性骨髄腫が20名でした。移植適応の症例に対しては積極的に造血幹細胞移植を実施しており、四国地方で毎年1、2番目に多く移植を行う施設になっています。

2.対象疾患

 対象とする疾患は、急性白血病(AML、ALL)、悪性リンパ腫(DLBCL、濾胞性リンパ腫など)、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍、慢性骨髄性白血病、免疫性血小板減少症、再生不良性貧血、後天性血友病、血栓性血小板減少性紫斑病、組織球性壊死性リンパ節炎(菊池病)、など多岐にわたります。時には、血液疾患の疑いで紹介となり、精査や初期治療ののち、最終診断が全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群などの自己免疫疾患、梅毒などの感染症、肺癌や甲状腺癌などの固形腫瘍となることも経験します.また、血液疾患に対して外来や入院で治療中の患者さんが併発した細菌性肺炎、COVID-19、ニューモシスチス肺炎、帯状疱疹、ヘルペス脳炎など種々の感染症、または慢性腎不全、心不全、器質化肺炎といった臓器特異的疾患、敗血症性ショックや呼吸不全など緊急対応や集中治療を要する病態、さらにがん性疼痛や呼吸困難に対するオピオイド投与などの緩和ケアも含め、他科と連携しながら、幅広い領域を受け持ちます。

3.診療体制

 2026年5月現在、常勤医師8名、後期研修医2名、非常勤医師1名で診療を行っています。当科は岡山大学血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科(第二内科)の関連施設ですが、所属医師の出身大学やキャリアは様々です。診療はチーム制で行っており、複数の医師による多面的な患者把握を行えるほか、休日・夜間の病棟業務、オンコール担当を明確にすることによって、業務から離れられる日を設けるようにしています。フルタイム勤務の負担が大きい場合は、平日の時短勤務や、オンコールなしなど、様々な勤務体制に柔軟に対応しています。スタッフ同士の仲が良く、卒後10年目以下の若手医師も多いことから、明るく活気に満ちた雰囲気の中、日々楽しく仕事をしています。
 毎日夕方にはチーム回診を行い、各患者さんの治療方針の確認を絶えず行っています。木曜朝の移植カンファレンス、金曜朝の新入院カンファレンスでは、チームを超えて入院患者さんの状態や治療方針を確認しています。金曜夕方の多職種カンファレンスでは、同種移植後の患者さんについて、多職種で情報の共有と取り組むべき課題について議論を行っています。また、論文抄読会を月2回行い、常に最新の知見をキャッチアップできるよう努めています。科内で経験した重要な症例については、学会発表や論文作成を積極的に行っています。

4.血液内科に興味のある学生、研修医の皆さんへ

 血液内科は血液疾患を治療する診療科ですが、血液疾患の多くが全身性の病態や合併症を有するという特性上、血液内科医が行っている日常臨床の中には、一般内科の要素が非常に多くあります。例えば、抗菌薬、補液、輸血、血糖管理、栄養、内科救急などです。また、手技も意外と多く、骨髄穿刺、中心静脈カテーテル留置、腰椎穿刺、胸腔穿刺、末梢静脈路確保などがあります。心臓カテーテルや内視鏡を除くと、内科の中でもかなり手技が多い方だと思います。
 また、血液内科は悪性から良性まで、急性期から慢性期まで、幅広くカバーします。重度 DICの白血病患者さんが運ばれてきて、そのままICUに入室することがあります。外来では、同種移植後何年も経っている患者さんの薬剤調整や副作用管理を行います。また、末期がんの患者さんに医療用麻薬や鎮静剤を使って、緩和ケアを施すこともあります。
 このように、血液内科が担う範囲は非常に幅広く、血液内科医は「血液疾患に対する高い専門性を持った総合内科医(deep generalist)」であると考えています。これについては、実際に臨床現場を見てみないとなかなかイメージができないかもしれませんが、血液内科に少しでも興味のある方は、ぜひ一度私たちがどのような仕事をしているか見に来てみてください。見学はいつでも歓迎します。最後に、高知県内の病院、および他県でも岡山大学病院などで初期研修をされている方は、連携施設として当科で研修ができます。

5.取得可能な専門医・認定医資格

 日本内科学会内科専門医・新総合内科専門医、日本血液学会専門医、日本造血・免疫細胞療法学会認定医、日本輸血・細胞治療学会認定医