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ロボット支援手術1000件達成のご報告とごあいさつ

低侵襲ロボット支援手術 1000件達成のご報告

 当院では、2022年9月14日に「低侵襲ロボット支援手術」(ダビンチXi)を導入して以来、対象となる病気や臓器を着実に拡大しながら、安全に手術を行ってまいりました。まず大腸の病気(結腸・直腸)からスタートし、婦人科(子宮の手術や子宮脱)、泌尿器科(前立腺)へと拡大。2023年度からは胃・食道・肺、2024年度には肝ぞうや膀胱、そして2025年度からは、すい臓の手術もロボットで行うようになりました。
 年間の手術件数は2022年度が109件、2023年度は377件、2024年度は403件にのぼり、2025年7月7日にはついに通算1000件目の手術を達成いたしました。とりわけ大腸の手術では、全国的にも有数の症例数であり、7月8日には、500件に達しました。今後は、肝ぞうやすい臓の症例数の増加が見込まれると共に、婦人科のがん(子宮体がん)にも対応を始める予定です。また、7月14日より、2台目の手術支援ロボット(ダビンチXi)を導入したことで、更に安定的な手術運用ができるようになりました。
 ロボット支援手術とは、これまでの腹腔鏡手術や胸腔鏡手術と同様、小さな傷から入れた内視鏡カメラや鉗子(かんし)を使いロボット技術を介して手術を行うもので、従来の開腹手術、更には腹腔鏡手術と比べても痛みの消退が速やかで、術後回復が早いというメリットがあります。ロボット支援手術では、人間の手のように自由に動く「ロボットの腕」と立体的に見える3Dカメラを使って、医師が専用の操作台から手術を行います。ロボットのみが自動で手術をするのではなく、ロボット技術と医師の手術スキルが融合することで、高度で繊細な操作が可能になります。また、手術する医師だけでなく、麻酔科医、看護師、臨床工学技士、器械を滅菌管理するスタッフなど、多職種のチームが一丸となって、手術を支えています。ロボット支援手術は「チーム医療」の象徴とも言える医療技術なのです。
 今後も当院では、安全で質の高い手術を提供し、地域の皆さまの健康と安心に貢献してまいります。引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2025年7月
手術支援ロボット部会 担当副院長 林 和俊

ロボット支援手術件数の推移(累積)

ロボット支援手術件数の年度別推移

ロボット支援手術件数の術式別推移