断層画像撮影科
CT検査
左より320列、64列CT(共にCanonメディカル社)、2管球式Dual Energy CT(シーメンス社)
現在、320列マルチスライスCT、128列DECT(2管球式Dual Energy CT)、64列CTの3台で検査を行っております。
装置の概要及び特徴
CTは人体の周りから放射線を照射し、その透過率の違いを検出し画像を得るもので、現在の医療において欠かせない診断ツールの1つです。全身のさまざまな病気を発見し診断、治療を行うための画像を提供します。
近年ではCTの高性能化に伴いあらゆる断面を作成でき、3D画像が迅速かつ高画質で作成可能となっています。
このような画像処理は血管疾患(動脈瘤、血管閉塞、異常分岐など)、骨疾患(骨折、腫瘍など)、頭頸部、胸部、腹部の術前マッピング(血管走行や腫瘍の立体的な把握)、救急患者(多発外傷、急性腹症)などに行います。
心臓CT
心筋梗塞などの心疾患による死亡者数は年々、増加傾向にあります。
これまで、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患には、心臓カテーテル検査が施行されてきました。
近年、画像診断技術の進歩により、こうした心臓カテーテル検査と同様の情報をCTスキャンにて得ることができるようになりました。
心臓CTは128列DECTと320列CTで検査を行っております。
64列マルチスライスCTが登場して心臓CTの診断能は大幅に向上しました。しかし動きのある心臓領域の撮影では被検者の心拍数が安定している場合のみ有効でした。128列DECTは、これまでの制限を克服し、心拍数に影響されない信頼性の高い心臓CT検査を行うことが可能です。
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心臓
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心臓
- 造影剤の効果を2~3倍にすることができます。
- 造影剤を使用した画像から造影剤を使用する前の画像を作成できます。
- 骨髄の浮腫を評価できます。
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通常120kVpCT画像 40KeV 仮想単色画像
造影効果が約3倍になっています。 -
骨浮腫の評価画像
心臓領域では従来型CT装置の2倍以上の速さになり、0.07秒の一定時間分解能が得られます。
320列CTは最大16cmの幅を一度に撮影することができるため心臓全体を同じタイミングで撮ることができます。
患者様の疾患や心拍数によって2機種を使い分け、よりよい心臓CT画像が提供できるようにしております。
Dual Energy撮影
通常は1種類のX線で撮影するのですが、2種類のX線を使用することで、今までできなかった様々な画像情報を得ることができます。
造影検査
CT検査の診断向上を目的として造影剤を使用する場合があります。
造影検査を受けられる患者さんには事前に問診表への記入をお願いしています。
腎臓の働きの悪い方、造影剤アレルギーのある方は使用できない場合があります。
造影剤によるアレルギー症状が出現した場合でも放射線科医をはじめCT室スタッフが迅速に対応しますので安心して検査を受けていただけます。
ご不明な点は主治医、検査担当のスタッフにご相談ください。
MRI検査
左から3T装置と1.5T装置2台(全てGEヘルスケアジャパン社)
装置の概要
MRI(磁気共鳴画像装置)とは、強い磁石と電波を利用して色々な方向から人体の断層像を得る検査です。よく比較されるCTとは同じ部位でも異なる写りかた(写真上での濃淡)をするのでそれぞれ長所短所があります。
現在3T装置1台、1.5T装置2台の合計3台で検査を行っています。
実際の検査
頭部を主に脊椎から四肢関節、腹部、骨盤、乳腺など幅広く対応しています。検査は基本的に検査台に仰向けに寝てもらい約15分から30分の所用時間となります。検査内容によっては造影剤を使用することもあり、病気の発見、診断に必要な画像を提供しています。
注意事項
装置を構成する原理上、他の検査に比べて制限の多い検査となっています。
強力な磁石を使用することや、狭い空間で検査を行うため、どなたでも施行できる検査ではありません。
ペースメーカーや体内に電子機器を埋め込む手術をされている方は特殊な例を除き検査できません。
その他体内になんらかの金属(磁性体)がある方も検査できない場合があります。
またアレルギーのある方や腎臓の働きが悪い方には造影剤を使用できない場合があります。
ご不明な点は主治医、検査担当のスタッフにご相談ください。