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血管造影

血管造影検査とは、足の付け根や腕の血管からカテーテルとよばれる管を挿入し、目的となる血管まで到達させ、造影剤を流し、連続してX線撮影を行う検査です。 血管の状態や流れを動画で観察することにより、狭窄・血栓の有無、腫瘍の栄養血管などを診断します。
血管造影の手技を利用して、治療(IVR)も行われています。カテーテルによる治療は外科的治療に対して侵襲が少ないのが特徴です。ここで行われる治療は、狭窄した血管をバルーンやステントで広げて血行状態を改善する血管拡張術、腫瘍の栄養血管に薬を注入し血管を閉塞させる動脈塞栓術、外傷などによる血管損傷に対する止血治療、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術などがあります。
当院には4台の血管撮影装置があり、本院救命救急センターと連携し、24時間体制の救急医療を実施し、循環器・脳血管・腹部等部位に応じて、また多発外傷など観血的骨折手術など症例に合わせてより安全な処置が出来るように使い分けています。

循環器系

  • 狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患および心不全を中心に、心筋症・心臓弁膜症・先天性心疾患・不整脈・高血圧症・動脈疾患までの循環器疾患全般を対象にしています。
    循環器疾患全般に対し高度先端技術を駆使しその診断・治療・予防に取り組んでいます。さらに、急性心筋梗塞症を中心に緊急症例の受け入れを行っています。冠動脈疾患に対して冠動脈造影やPCI(経皮的冠動脈インターベンション)を実施しています。不整脈診療に関しては電気生理学的検査、アブレーションの他、ペースメーカー植込み、植込み型除細動器手術を行っています。

  • PHILIPS社製

脳血管系

脳動脈瘤・脳・脊髄動静脈奇形・硬膜動静脈瘻・内頸動脈海綿静脈洞瘻・頭頸部、頭蓋内閉塞性血管障害と血管障害については、ほぼ全般を対象にしています。動脈瘤や動静脈奇形、動静脈瘻などでは、種々の塞栓材料を用いて病変部を閉塞させます。また、血管の狭窄や閉塞により血流障害のある血管はバルーンカテーテルを用いて血管を拡張し、さらに再狭窄予防のためにステントを留置するなどします。
この治療方法の良いところは、従来、開頭手術によって脳を圧排しながらでなければ到達できなかった深部の病変にでも、血管内からアプローチすることにより周囲の重要な組織にさわらずに治療することが出来ること、全身麻酔を必要とせず、また出血も少ないので、高齢者や心疾患などの重篤な合併疾患をもつ患者さんにも安全に行えることなどです。さらに脳卒中超急性期の治療を行っている他、脳卒中の予防的治療も行っており、カテーテル技術を用いた脳血管内治療:血栓溶解療法、経皮的脳血管形成術(ステント留置術含む)、動脈瘤塞栓術などを急性期あるいは慢性期に低侵襲に高いレベルで積極的に取り組んでいます。

  • PHILIPS社製

放射線科

ここでは、腫瘍や膿瘍、胆道、血管損傷など体の様々な部位に対しての検査・治療をおこなっています。また、静脈へカテーテルを入れて、点滴あるいは薬剤を安全・確実に投与するための中心静脈リザーバーの留置も行っています。
当院では、血管撮影(アンギオ)とコンピューター断層撮影(CT)装置を合わせた複合医療機器「IVR-CT装置」を導入しています。この装置を用いることにより、アンギオ装置を見ながらカテーテルを操作し、CT装置で病巣の部位を的確にとらえ、がんに栄養を送っている血管から確実に薬を流し、血管を詰める「塞栓術」など、きめ細やかな治療が行うことができます。また超音波では確認しにくい部位の生検もCTを利用して行えます。

  • SIEMENS社製

Hybrid室

2014年7月に高知県初となるHybrid室が運用開始しました。ここでは、手術と血管内治療が同時におこなえることが大きな特徴になります。
24時間対応で主に、ステントグラフト挿入術・経皮的大動脈弁置換術(TAVI)・観血的骨折手術をおこなっています。
Hybrid室の利点は、透視画像を大きな視野で確認しながら安全に手技がおこなえることです。
また、交通外傷など生じる骨盤骨折・腹腔内出血などの複合的な傷病に対して同日に同じ部屋で処置が迅速におこなえる点です。