医療局
医療局長からのご挨拶
平素より高知医療センターに格別のご支援をいただき、心より御礼を申し上げます。このたび、前任の尾崎和秀先生のあとを引き継ぎ、2025年11月から医療局長の任を仰せつかりましたので、一言ご挨拶を申し上げます。
私は、1995年岡山大学医学部を卒業し、2003年に前身の高知県立中央病院勤務となり、当院開院以来血液内科医師として従事しております。2007年からは血液内科・輸血科の科長となり、当院血液内科診療体制の構築と発展、県内の血液内科診療に微力ながら尽力して参りました。
当院は開院当初から、6つ専門職が互いに平等に力を発揮できるように6局(医療局、看護局、薬剤局、医療技術局、栄養局、事務局)の組織体制を編成しています。私の在籍する医療局は、常勤医師、専攻医、初期研修医を合わせると、全体で200名におよぶ大所帯であり、この大人数を活かし各診療科、各局、さらには地域の医療機関の皆様との連携を強化しつつ、医師が診療に従事していくことが大切だと思っています。また、昨今の新技術の導入や様々な新薬の登場により、高い専門性と同時に診療科の枠組みを超えた診療科間の協力が必要となってきていることも痛感しています。
新型コロナウイルス感染症も2023年5月に「5類感染症」に移行しましたが、まだ完全には終息しておらず、今後も新たな感染症流行の可能性もあり、私たちは常に緊張した状態で医療に従事しています。また、必ず起こると言われる「南海トラフ大地震」に対しても、今後さらに対策・準備を着実に進めていく必要があります。病院経営においては、国全体で7割を超える病院、公立病院に限ると9割が赤字と想定されており、現在の日本の診療報酬制度も大きな問題を抱えていると感じています。
このように、多くの問題点や不安を抱える医療現場ですが、我々病院幹部は現場の医師が、ただ実直に眼前の患者さんのために診療できる環境をこれからも提供し続ける責務があると思います。
医療局長の責務として、「医療局の相談役」、「院内各局との連携役」、「経営陣と現場の潤滑油」の3点が重要だと考えています。具体的には、医療安全の確保、健全な労務環境の維持・確保、診療と教育の質の担保と向上、他局・他部門・他施設との連絡調整・連携強化、経営陣の考えを現場に伝え同時に現場医師の意見や負担状況などを経営陣に伝える現場と経営陣の「潤滑油」としての働き、など多くの責務を担っていると自覚しています。
医療局長を拝命し、この重責に身が引き締まる思いですが、歴代の医療局長の先生方が築いて下さった礎をもとに、今後の当院医療局の発展と何よりも県民の皆様方の健康維持に微力ながらお力添えができればと思っております。
今後とも何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
医療局長 今井 利