文字サイズ: 標準 拡大
背景色:

ペースメーカーリード抜去

ペースメーカーリード抜去

ペースメーカーなどの不整脈デバイス治療の手術件数は全国で年間約7万件程度が行われています。それに伴いデバイス治療に関連した合併症も散見され、特に感染を合併した際にはリードを含めたすべての異物除去が必須となります。一定期間の留置を経たリードは、単純牽引での抜去は困難なため、特殊な治療デバイスを使用してのリード抜去が必要となります。これまでは単純牽引して抜去できないリードの抜去には開心術が必要で、患者さんへの負担が大きく、なかなか有効な治療を行うことができませんでした。

この治療の手術適応は日本循環器学会・日本不整脈心電学会合同ガイドラインに従って判断しています。具体的には、菌血症や敗血症を含めたすべての植込型心臓電気デバイスの感染症はその適応になります(創部の感染も含みます)。リードによる留置静脈のトラブルや、リードによる疼痛、留置リードあるいは残存リードによる様々な不具合、MRI適応のリードへの変更も抜去の適応になります。

手術は全身麻酔で行なっています。抜去デバイスとしてエキシマレーザーシース(図1)、回転式ダイレーターシース(図2)を用いて、リード周囲に取り巻く血管内、心臓内の癒着を剥離し、リードを体外に抜去します。

このデバイスを用いた経静脈的リード抜去術は、日本不整脈心電学会が認定した施設と医師のみが施行可能です。当院は高知県で唯一、この双方のデバイス使用でのリード抜去が可能な施設です。

リード抜去を必要としている患者さんがおられましたら、お気軽にご相談ください。