文字サイズ: 標準 拡大
背景色:

循環器内科

1.当科の診療体制

当科は、主に成人の心臓血管病の診断、治療を受け持っています。現在の我々の体制の柱は、救急医療、高度医療、そして地域連携です。

1)救急医療に対しては当科が扱う疾患は急性心筋梗塞や急性心不全などの重篤な救急疾患が多く、その診断や治療には迅速性が要求されます。当院は循環器内科医師と救命救急科が連携を取り、ドクターヘリ・ドクターカーでの搬送も可能であり、迅速かつ適切な医療が提供できます。

2)高度医療に関しては、年間約300件の冠動脈インターベンションを施行しております。通常のステント治療はもとより、高度石灰化病変に対するロータブレーター、偏在性動脈硬化病変に対するDCA、血栓性病変に対するエキシマレーザーなどの治療も可能であり、症例毎に適切な治療を心がけています。また適切な治療のために、心臓超音波検査、心筋シンチ、CTなどの非侵襲的な検査で適切な診断を十分に行っております。
心臓弁膜症に対するカテーテル治療については、2015年より経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)が開始され、多職種からなるハートチームと協力して、安全かつ効果的な治療を提供しております。また2019年5月からは、僧帽弁閉鎖不全症に対するマイトラクリップが開始されており、その治療範囲は広がっております。
不整脈領域に関してもカテーテルアブレーションに加えて、永久ペースメーカー留置、植え込み型除細動器、心室再同期療法などを積極的に行っております。またリードレスペースメーカー、経皮的左心耳閉鎖術(WATCHMAN)や経皮的リード抜去などの最先端治療も多くの患者さんに行っております。

3)地域連携については「地域完結型」の医療の強化に努めています。ご紹介頂いた患者さんに対する適切な診断・治療の後は、必ずご紹介元であるかかりつけ医の先生方の所で継続した診療をお願いすることを徹底します。かかりつけの先生方が地域の患者さんに対して、循環器疾患予防を実践し、診療に困った場合や専門治療が必要な場合はいつでも遠慮なく紹介でき、当科での専門治療後は地域に速やかに帰ることができるシステムを目指しています。

2.当科の診療対象

以下にあげる循環器疾患すべてを対象としています。

  • 1. 狭心症、心筋梗塞症(急性期、慢性期を問わず)などの虚血性心疾患
  • 2. 心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症等)
  • 3. 心不全
  • 4. 心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症など)
  • 5. 心膜疾患 (急性心膜炎、収縮性心膜炎など)
  • 6. 成人の先天性心疾患
  • 7. 不整脈 (上室性・心室性頻脈、徐脈、失神など)
  • 8. 急性大動脈解離、大動脈瘤などの大動脈疾患
  • 9. 閉塞性動脈硬化症、腎動脈狭窄等の末梢動脈疾患
  • 10. 肺塞栓症
  • 11. 下肢深部静脈血栓症等の静脈疾患

3.当科スタッフ(2023年4月現在)

氏名 役職 卒業年数 資格
山本 克人 副院長
(兼)循環器病センター長
昭和61年卒 日本内科学科認定医・指導医
日本循環器学会専門医
日本不整脈心電図学会専門医・指導医・評議員
日本高血圧学会指導医
尾原 義和 循環器内科
科長
平成9年卒 日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
日本超音波学会専門医・指導医
経カテーテル的大動脈弁置換術指導医
WATCHMAN実施医
浅大腿動脈ステントグラフト実施医
植込み型除細動器/ペーシングによる心不全治療研修修了医
福岡 陽子 循環器内科
医長
平成20年卒 日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会専門医
日本超音波学会専門医・指導医
日本医師会認定産業医
植込み型除細動器/ペーシングによる心不全治療研修修了医
吉村 由紀 循環器内科
医長
平成22年卒 日本内科学会認定内科医
日本循環器学会専門医
WATCHMAN実施医
竹内 雅音 副医長 平成28年卒 日本内科学会認定内科医

4.実績

  2018 2019 2020 2021 2022
冠動脈造影 1158 1022 781 727 740
PCI 399 330 269 299 325
カテーテルアブレーション 66 38 25 11 9
恒久的ペースメーカー 70 68 69 90 81
植え込み型除細動器 4 4 8 3 5
両心室ペーシング 15 6 4 5 5
TAVI 33 33 39 32 42
マイトラクリップ   13 19 17 19
WATCHMAN       12 17
経皮的リード抜去       13