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妊娠後期検査

腟内細菌検査(妊娠35週前後)

 B群溶血性連鎖球菌(GBS)は、お母さんや赤ちゃんに深刻な感染を引き起こす可能性のある細菌です。お母さんのGBS保有率は15~40%と言われており無症状ですが、妊娠中や分娩中に垂直(母子)感染を引き起こすことがあります。赤ちゃんがGBS感染症感染症になると、赤ちゃんの予後に関わる深刻な感染を引き起こす可能性があります。そこで、お母さんのGBS保有が疑われる場合は、分娩中に点滴による抗生剤治療を行うことで生後1週間以内に赤ちゃんに発生する早期型のGBS感染症のリスクが大幅に減少します(生後3ヶ月までに発生する晩期型のGBS感染症を防ぐことは出来ません)。治療にはペニシリン系の抗生剤を使用しますが、お母さんにペニシリンアレルギーがある場合には医療スタッフに伝えて下さい。

貧血、血小板など血液一般(妊娠36週頃)

 貧血や血小板減少が無いか検査します。貧血がある場合は分娩時の出血に備えて鉄剤の内服をします。血小板数が少ない場合は原因検索を行い原因に応じた治療を検討します。血小板数が少ない場合や下に示す血液凝固検査で異常がある場合に帝王切開を必要とする場合は、麻酔方法が区域麻酔(脊椎麻酔や硬膜外麻酔)ではなく全身麻酔が必要になることがあります。

生化学的血液検査(妊娠36週頃)

 出産前にお母さんが健康な状態であることを確認するための検査です。肝機能、腎機能や電解質などの項目を調べ分娩に際して問題が無いことを確認します。

血液凝固検査(妊娠36週頃)

 妊娠高血圧症候群をはじめ、妊娠中は血液の凝固(固まること)機能が異常となることがあるため、血液の固まりやすさを出産前に検査します。

胎児心拍数モニタリング(妊娠36週以降)

 胎児心拍陣痛計(分娩監視装置)をお腹につけて、赤ちゃんの心拍とお母さんの子宮収縮を測定します。赤ちゃんの元気さや陣痛の感覚・強さを評価しながら分娩経過をみます。