- HOME
- 診療科・部門
- 診療科
- 消化器外科・一般外科
- 消化器外科・一般外科(肝胆膵部門)
消化器外科・一般外科(肝胆膵部門)
肝胆膵部門とは
肝臓・胆道(胆嚢・胆管)・膵臓の悪性疾患を中心に外科治療を行っています。
当院は日本肝胆膵外科学会が認定する高度技能専門医修練施設(A)です。高度技能専門医修練施設(A)は学会が指定する高難度肝胆膵外科手術を年間50症例以上行っている施設が認定され、高知県では唯一のA認定施設となっています。当院は四国・中国地方で上位に入る症例数の手術を行っており、高知全域からの患者さんの治療に当たらせていただいています。
肝胆膵部門の病気について
肝臓領域では肝細胞癌が以前は大多数を占めていましたが、最近では大腸癌の肝転移に対して根治を目指して治療を行っています。大腸癌の肝転移に対しては化学療法が一定の効果を認めますが、当院ではできるだけ化学療法を最後の手段として、可能な範囲は手術で切除しています。根治を目指し、抗癌剤の導入時期を遅らせることで、副作用などで患者さんの生活の質を落とさないことを目的としています。
胆道、膵臓領域では膵頭十二指腸切除を中心に日本肝胆膵外科学会が指定する高難度肝胆膵外科手術を行っています。高難度外科手術はその名が示す通り、難易度が高く、合併症率、死亡率なども他の手術に比べて高いものとなっていますが、当院では高齢者に対しても安全に施行できるように工夫して行っています。2019年度には80歳以上の方を含む約50例の膵頭十二指腸切除を行っていますが、術後に合併症で亡くなられた患者さんはいませんでした。
膵臓癌に対しては術前化学療法、手術、術後の補助化学療法を行うことにより長期生存が得られるようになってきています。悪性疾患だけでなく、癌化の可能性のある膵臓の良性腫瘍、健診で指摘された胆石などに対しても手術を行っています。当院で経験した高難度肝胆膵外科手術で得た技術や知識をもとにこれらの良性疾患の患者さんに対しても、最善の医療が提供できるように努力しています。
高知県の高齢化に対して
高知県は全国より高齢化が進んでいます。その中で、手術侵襲の大きい肝胆膵外科手術の適応に関しては、年齢で区切りをつけるのではなく、患者さんの状態、取り巻く環境を考慮して決めさせていただいています。その中で、患者さんが治りたいという気持ちがあることを一番に重要視しています。
経験豊富な専門医の紹介
名前 | 専門分野・資格など | |
---|---|---|
科長 (兼)中央手術センター長 |
岡林 雄大 | 日本外科学会専門医・指導医 日本消化器外科学会専門医・指導医・評議員 日本消化器病学会専門医・指導医・評議員 日本臨床栄養代謝学会四国支部TNT講師 日本肝胆膵外科学会高度技能指導医・評議員 日本臨床外科学会評議員 日本膵臓学会認定指導医 日本臨床栄養代謝学会学術評議員 医学博士 |
医長 | 田渕 幹康 |
日本外科学会専門医 |
医長 | 德丸 哲平 |
日本外科学会専門医・指導医 |
副医長 | 坂本 真也 |
日本外科学会専門医 |
近年外科学分野においても多施設共同前向き比較試験で、治療成績などを評価し論文化されることが多くなっています。そしてビッグデータと称し、様々な疾患において国レベルでの解析が行われています。しかし残念ながら外科手術手技のレベル(特に高難度手術に関して)は、地域間および施設間での格差が大きく、これらの結果が日常診療に直結するとは言い難いです。これらを参考にしつつ、地域医療と連携しひとりひとりの患者さんにあった医療をそれぞれの施設で最善を尽くしていくことが肝要であると考えます。多施設で行われた研究結果が各々の施設の診療にそのまま当てはまることは考えにくく、膵頭十二指腸切除術を含めて肝胆膵外科手術は認定施設に集約して手術を行うことにより、手術成績向上ひいては手術を受ける患者さんの利益につながると考えます。