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診療科

消化器外科・一般外科(食道部門)

食道部門とは

 上部消化管(食道・胃)の内、食道の良性・悪性疾患全般の治療を担当しています。特に、食道の悪性腫瘍を中心に、食道外科専門医師が、消化器内科(内視鏡治療専門)・腫瘍内科(抗がん剤治療専門)・放射線療法科(放射線治療専門)の医師とカンファレンスを行い、患者さんにとって最良の治療を提供しています。

食道部門の病気について

 食道部門で扱う疾患は、食道がんを中心とした悪性疾患のみならず、食道裂孔ヘルニアや食道憩室・アカラシアなどの良性疾患や、食道破裂などの緊急疾患に対する外科治療を行っています。 2017年度がん統計では、食道がん全ステージの5年生存割合は40%弱であり、その他の癌(胃がん65%、大腸がん70%)と比較して、長期生存が得られにくいがんの一つです。
 高知県の食道がん罹患率は都道府県別比較で2017年は3位でした。全国の食道癌患者さんと比較すると、高知県は64歳以下で診断される割合が高くなっています。習慣的に飲酒・喫煙する高知県民にとって、食道がんは避けることができない、かつ、若くして罹う病気(疾患)です。

当院の食道部門の特徴

正確な診断のもと、患者さん個々に応じた治療を選択していきます

 初診時に、正確な診断を行うために、胃カメラ・CT・PET-CTなどを行います。一度受けた検査を、再度行う場合があります。カンファレンスにて診断・治療方針を検討し、患者さんの意向と合わせて治療方針を決定していきます。

食道がんに立ち向かうべく、多職種の医療介入(チーム医療)を行っています

 食道がんと闘い長期生存を目指していくには、ステージ毎に治療法は異なるものの、手術治療を中心とした様々な治療の組み合わせが必要です。現在、ステージIIやIIIの食道がんに対しては、手術前に化学療法を2-3か月行った後に手術治療を行うのが標準治療となっています。治療後は、体力低下や意欲低下が起こるため、リハビリテーションを行うとともに、食事摂取方法の工夫も必要になります。一連の治療において、医師(内科、外科、放射線科、耳鼻科、歯科)のみならず、看護師、リハビリテーション、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど様々な職種の医療従事者が、患者さん・ご家族に寄り添い、治療と支援を行っています。

食道がんについて

食道がんとは

 食道は、のどからみぞおちまでをつなぐ約25cmの筒状の消化管で、食べ物をのどから胃へと運ぶ通り道です。食道がんは、食道の粘膜から発生する悪性腫瘍で、扁平上皮癌と腺癌の2種類があります。約9割が扁平上皮癌で、喫煙や飲酒量、男性、飲酒で顔が赤くなる体質の方(フラッシャー)が高リスクです。症状は、のどの違和感や痛み、嚥下時の違和感・痛み、つかえ、嘔吐、食事がとれないなどがあります。

食道がんの診断と治療

 診断は、内視鏡検査(胃カメラ)、CT検査、PET-CT検査などで行います。
 治療法(下表)は、ステージ別に、内視鏡治療、化学療法(免疫療法含む)、放射線治療、手術治療を組み合わせて行うことになります。しかし、ステージII以上の進行がんの治療には、手術治療が欠かせないのが現状です。ステージIVでも切除可能であれば、手術治療を行うことで長期生存が可能なこともあります。

食道がん手術と術後の生活

 食道がんは、リンパ節転移頻度が高く、食道周囲のみならず、胃周囲のリンパ節にも転移するため、胃の一部を一緒に切除する必要があります。頸部、胸部、腹部と3か所の手術になり、2つの工程(下図)

  1. がんとリンパ節を切り取り(切除術)
  2. 食べ物が通るように作り治す(再建術)
 を行います。
 手術後の生活は、1回に食べられる量が少なくなります。よく噛み、時間をかけて食べ、食事回数を増やすことが必要になります。また、体力の低下を認めるため、しっかりと体を動かす必要があります。

最後に

 食道がんは進行が早く、1年以内に進行がんとなることが多いため、毎年の健康診断・内視鏡検査(胃カメラ)を受診していただくことをお勧めしています。また、食べ物が飲み込みにくいなど、何かお困りのことがあれば何でもご相談ください。

経験豊富な専門医の紹介

副院長 澁谷 祐一
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科認定医
日本食道学会評議員・食道科認定医
日本臨床腎移植学会腎移植認定医
医学博士
 
医長 佐藤 琢爾
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
日本食道学会食道科認定医