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消化器内科

消化器内科とは

 当科は、消化器疾患を中心に内科的治療を主として行う診療科です。

 とはいえ、昨今の医療機器の進歩も相まって、消化器内科に求められる手技は増加してきており、当科でも内視鏡やカテーテルなどを用いた精査、治療の比重が大きくなってきています。

 当院の機能のひとつである救命救急センターとしては、消化管出血、胆管炎など緊急に対応する必要のある疾患に対して、救命救急科とも協力しながら、できる限り迅速な対応を心がけ、それに対応できるシステム構築と技術習得に努めています。

 また、がんセンター機能としては、手術前精査や治療後の経過観察、消化管のがんでは内視鏡的切除やステント留置など、胆膵系の閉塞性黄疸の処置(ステント留置)など、精査から治療、その後の経過観察までを集学的に行っています。

 これらを可能にするための消化器外科・一般外科、放射線科、病理診断科等、他科との連携は重要であり、定期的な合同カンファレンスなど、密でスピーディーな垣根の低い関係を築いています。

 当院の機能上、救急・紹介患者さんが非常に多いこともありますが、各地域の医院、病院の先生方との連携を保つよう心がけ、日帰りや、可能な範囲での短期間での入院治療を行い、無理なく紹介元での治療を継続していただけるよう目指しています。

当院の消化器内科の特徴

上部消化管

 通常の上部消化管内視鏡検査はもちろんのこと、精査、内視鏡的処置を多数行っています。

 精査内視鏡検査としては画像強調観察(NBI他)、拡大内視鏡観察、超音波内視鏡などを積極的に行い、総合的により正確な診断を目指しています。

 上部消化管癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は県内有数の症例数であり、上部消化管出血(潰瘍、静脈瘤)、消化管狭窄に対する拡張、ステント留置、異物除去、胃瘻造設など、行っている処置も多種多様です。

 熟練したコメディカルスタッフもおり、病理診断科、消化器外科、放射線科他、横との連携も良好で、スタッフにとってもストレスの少ない非常にスピーディーな日常診療が行なえていると考えています。

下部消化管

 下部消化管内視鏡検査による早期大腸がん、大腸腺種の診断、治療を主に行なっております。癌や腺腫の質的診断、深達度診断にはNBI、色素内視鏡による拡大内視鏡観察を行い、それぞれに対応した処置、治療を行っております。消化器外科と連携することで、診断から治療までの期間が短いことが特徴です。

 LSTなどの大きな平坦腫瘍の場合は拡大内視鏡観察にて粘膜内病変であることを確認した後、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、あるいは粘膜切除術(計画的分割切除)を行い、腫瘍の遺残、再発を防ぐよう努めています。

 また救急病院でもあるため、消化管出血や癌などによる腸閉塞などに対する救急処置が多いのも特徴です。消化管出血に対しては、3DCTや出血シンチなども用い画像診断により出血源を確認することで、より的確に処置を行っております。

 腫瘍による腸閉塞に対しては、消化器外科と連携し、ステントやイレウス管による減圧療法を行っております。外科と連携する事によって減圧後速やかに外科治療に移行できます。

 また、最近は炎症性腸疾患症例も増加傾向にあります。これに対応するべく、通常の下部消化管内視鏡検査に加え、バブルバルーン小腸内視鏡検査による深部小腸の観察も行っています。潰瘍性大腸炎の治療には内服治療のほか、TNF-α阻害薬の使用や、腎臓内科・膠原病科に協力いただき白血球除去療法なども行っております。

胆嚢・胆管・膵臓

 膵 胆道系疾患の治療、特に ERCP EUS EUS-FNA 胆道鏡 EPLBD IDUS 胆道、膵管ステント留置などの内視鏡的治療を中心に行なっています。

 当科の特色としては、入院当日の緊急内視鏡症例が約8割を占めています。

 総胆管結石、膵 胆道系の悪性腫瘍、十二指腸乳頭部腫瘍の他、他院での処置困難例など症例内容が豊富で、ERCP EUS 胆道鏡 IDUSなど積極的に行い正確で迅速な診断、治療に努めております。

 また、ドクターヘリ導入後、急性閉塞性化膿性胆管炎 重症急性膵炎など県内全域からの重症症例が増加しましたが、内視鏡的緊急ドレナージや、動注療法 CHDFなど集学的治療が昼夜を問わず非常にスピーディーに遂行されるのも特色といえます。

肝臓

 現在は当科に常勤の肝臓専門医が不在のため、専門的治療が必要とされる急性肝炎、慢性肝炎等(ウイルス性、自己免疫性、薬剤性など)に対しては対応困難な状態です。当科外来受診~入院後に対応困難な肝臓疾患と判断された場合は、速やかに肝臓専門医の在籍する病院へ紹介としております。