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抄読会

最新文献紹介

2025年

PMIDをクリックするとpubmedのページにリンクします。

日付 2025年10月28日
担当 浦田
タイトル Integrative genomic analysis of DLBCL identifies immune environments associated with bispecific antibody response
PMID 39869833
著者 Sravya Tumuluru
文献 Blood
要旨 初発のDLBCLのCOOと免疫プロファイルを元にした分類法、初発時の場合にはABC型/GCB型と免疫学的にhotかcoldかの組み合わせはCOOだけでしか分けることができなかったが、再発時に同じ分類法を適応した場合にGCB型かつ免疫学的にhot群は二重特異性抗体が奏功しやすい一方でCAR-T細胞療法では大きな差が生じないことが分かった。背景としてGCB型かつ免疫学的にhot群ではSOCS1の機能喪失変異が多く、IFN-γに対する反応性が高いことが関与していると考えられた。
日付 2025年10月7日
担当 北村
タイトル Belantamab mafodotin does not induce B-cell maturation antigen loss or systemic immune dysfunction in multiple myeloma
PMID 40874339
著者 Hanny Musa
文献 Haematologica
要旨 Bela-mafの治験データを元にしたBela-mafとBCMAの反応性と免疫性の解析データ。Bela-maf抵抗性となり再発した際にも形質細胞表面のBCMAの発現は低下せず、NK細胞でTIM-3 上昇、CD4陽性T細胞で軽度ICOS低下はあるが全体としては免疫細胞の疲弊は起きていいなかった。
このためBela-maf投与後の再発に抗BCMA二重特異性抗体の投与は支持されると考えられる。
日付 2025年9月30日
担当 研修医
タイトル Treatments and Outcomes of Newly Diagnosed CD5-Positive Diffuse Large B-Cell Lymphoma: A Multi-Institutional Observational Study
PMID 39937961
著者 Yuma Nato
文献 Hematol Oncol
要旨 CD5陽性DLBCLに対するda-R-EPOCH+HD-HTX併用療法の実臨床のデータ、第二相試験と同様に2年PFS・OSは76/87%と良好で、傾向スコアマッチングでも臨床試験と差は無し。ただし臨床試験と同様にHD-MTXの有無はCNS再発を予防するわけではない。またpola-R-CHPとの比較検討は行われていない。
日付 2025年9月16日
担当 研修医
タイトル Bridging intensity is associated with impaired hematopoietic recovery after BCMA CAR-T therapy for multiple myeloma
PMID 40267180
著者 Jan H Frenking
文献 Blood Adv
要旨 BCMA-CAR-T細胞療法におけるリンパ球採取後とCAR-T療法までのbridging化学療法の強度を評価した研究。
bridging化学療法として殺細胞性抗癌剤を含まないレジメンと殺細胞性抗癌剤を1-2剤含むレジメン、3剤以上含むレジメン(DCEPや自家移植など)で層別化をして解析。
3剤以上殺細胞性抗癌剤含むレジメンでbridging化学療法を行った場合には血球回復が遷延し好中球回復は中央値で63日を要した。特に輸注40日前後で2回目の好中球減少が起きやすく、Grade3以上の感染症の発症頻度も増加した(殺細胞性抗癌剤2剤以下のレジメンが20%に対して38%)。ただし強力殺細胞性化学療法によるbridging療法でCAR-T細胞療法後の血球回復が遷延することが非再発死亡増加に関係するという記載は明示されていない
一方でリンパ球採取より前の治療ライン数は血球回復には関係しない。
bridging化学療法の強化は奏効率には関係しなかったものの、PFSは有意に不良だったがリンパ球採取直前のPDもPFS悪化と関係しており交絡因子の可能性あり
日付 2025年9月9日
担当 葛目
タイトル Optimal MRD-based end point to support response-adapted treatment cessation in newly diagnosed multiple myeloma
PMID 40193714
著者 Smith Giri
文献 Blood
要旨 初発MM患者に対する4剤併用寛解導入療法と自家移植後の後、NGSによる治療反応性をみた固定期間の治療による治療期間の短縮を評価した前向き研究。
Dara-KRdまたはDVRd4コース後に自家移植を行いNGSでMRDを評価、MRDの状態に基づいてDara-KRdまたはDVRd地固め療法なし・4・8コースと層別化し、1年以上間隔をあけて2回MRD陰性(持続的MRD陰性)が持続した患者では治療中止、中止基準に達していない患者ではLEN維持療法を施行(ただし高リスク患者では中止基準となっていても治療を継続した患者が多かった)。
年齢中央値は61歳で70歳以上は21%、複数の高リスク染色体異常を有する症例は13%。221名中77%がMRD陰性化を達成し、50%が10-5レベルで持続的MRD陰性を達成。ISSや高リスク染色体異常の有無とは独立して持続的なMRD陰性はPFSに影響した(10-6までレベルを深めても予後は改善せず)。
一方で持続的なMRD陰性状態となっても高リスク染色体異常があるとPFSは悪化した(高リスク染色体異常0個、1個、2個以上で4年PFS:95%、80%、57%)。ただしOSに関しては高リスク染色体異常の有無で変化はなく適切な二次治療で救済される可能性が高い。逆に高リスク染色体異常がなければ固定期間の治療でも予後は良好で積極的な治療中止が考慮される。
日付 2025年9月2日
担当 松本
タイトル Impact of posttransplant cyclophosphamide-based GVHD prophylaxis in patients 70 years and older: an update from BMT CTN 1703
PMID 40305657
著者 Sameem Abedin
文献 Blood Adv
要旨 ハプロ以外をドナーソース(血縁or 7/8・8/8UPB)としてRIC前処置を用いたPTCYとTAC+sMTXを用いたランダム化試験における70歳以上患者を対象とした96名のpost hoc解析。年齢中央値72.9歳で85%近くが非血縁ドナーを用い、前処置の多くはFLU+MELベースだった試験全体同様に70歳以上でもGRFSはPTCY群で良好だった(1年GRFS67.1% vs 29.% HR0.27)。好中球生着率に有意差はないが血小板生着はやや遅延
心臓関連有害事象は両群間で有意差なし(ただしTAC+sMTXの心合併症発症率が34%と異様に多い)
患者集団全体と異なり70歳以上の患者ではPTCY群で再発率や移植関連死亡率も低かった(1年RFS:80.5% vs 50.3%、1年NRM4.7% vs 19.4%)。結果として1年修正OSはPTCY群で良好だった(94.3% vs 60.2%)
日付 2025年8月26日
担当 町田
タイトル Allogeneic transplantation after failure of chimeric antigen receptor-T cells and exposure to bispecific antibodies: Feasibility, safety and survival outcomes
PMID 40695357
著者 Angelica Barone
文献 Br J Haematol
要旨 CAR-T療法(Axi-celまたはTisa-cel)再発後に二重特異性抗体を受けたLBCL患者でに対する同種造血幹細胞移植に対する成績を評価した後方視的研究。CAR-T細胞療法後に再発した83名のうち69名が救援療法を受け、13名が二重特使性抗体でCRまたは㏚の状態で同種移植を受けた。
移植を受けた患者の年齢中央値は48歳と若く形質転換症例が多かった。
二重特異抗体の大半はglofitamabが使用された。CAR-T細胞療法失敗から移植までの期間は8.9か月程度
救援療法は大半がglofitamabを施行され移植前の5レジメンと前治療開始時点のPSやHCT-CTは0点/2点以下と良好だった。前処置は全例RIC前処置で行い、GVHD予防はPTCYを主体とした。

GradeⅢ-ⅣのaGVHDと中等症以上cGVHDの累積率は8/15%で、二重特異性抗体の最終投与日やサイクル数とaGVHDとの間に相関性は認められなかった。ウイルス感染症は散見されたが真菌感染症の合併はなかった。
フォローアップ中央値18.4か月で全員が寛解で生存していた。移植後1年GRFSは69%でCAR-T細胞療法失敗後のOSも未達だった。一方で移植を受けなかった患者のCAR-T細胞療法失敗後のOS中央値は1年程度と予後不良だった。
日付 2025年8月19日
担当 今井
タイトル Toxicity and efficacy of CAR T-cell therapy in primary and secondary CNS lymphoma: a meta-analysis of 128 patients
PMID 36260735
著者 Michael R Cook
文献 Blood Adv
要旨 18歳以上のCNSリンパ腫(年齢中央値50代)に対するCAR-T細胞療法の有効性と安全性を評価したメタ解析
PCNSLの8割以上はnon-GCB型で実質性病変で6割がTisa-celで治療を受けたのに対し、SCNSLでは実質病変は6割割程度・約半数が全身病変を合併し半数がAxi-celで治療
CRSはPCNSLで70%(grade3-4は13%)、SCNSLで72%(grade3-4は11%)と大きな差は無し。
ICANSはPCNSLで53%(grade3-4は18%)、SCNSLで48%(grade3-4は26%)とSCNSLでやや多め
PCNSLでは一か月時点のCR率は31%でデータカットオ時点でのCR率は37%
SCNSLでは一か月時点のCR率は32%でデータカットオフ時点でのCR率は46%とややSCNSLの方がやや良かった。
SCNSLのCR率が高くICANSの高い理由は共刺激分子としてCD28を使用したCAR-Tが多かった事が影響した可能性。
日付 2025年8月12日
担当 浦田
タイトル Standard-of-care idecabtagene vicleucel for relapsed/refractory multiple myeloma
PMID 40198886
著者 Surbhi Sidana
文献 Blood
要旨 実臨床としてide-cel投与を受けたMM患者のCIBMTRデータを評価した後方視的研究
前治療歴は中央値7コース、年齢中央値66歳で高リスク染色体異常は27%(1q以上を含むと52%)、3割が70歳以上、髄外病変は17%、BCMA療法の既往は15%あり(多く抗BCMA-ADC)、前処置の9割はFLU-CYだが70歳以上ではBENの前処置が多い

ORR/CR率は73%/25%で6か月以内の抗BCMA療法やBENによる前処置、輸注時SD以下、EMDの存在で奏効率が悪化した。
PFS中央値は8.8か月、1年OSは67%で、輸注時VGPR未満、血小板数低下、高リスク染色体異常、EMDの存在、6か月以内の抗BCMA療法、BENによる前処置でPFS低下
高齢患者ではPFS/OS改善したが選択バイアスの可能性あり
TRMは6%で約半数は感染症死、次に多いのは臓器不全でCRSによる死亡はTRMの1割弱
日付 2025年8月5日
担当
タイトル Does IPSS-R downstaging before transplantation improve the prognosis of patients with myelodysplastic neoplasms?
PMID 38728380
著者 Christof Scheid
文献 Blood
要旨 EBMTにおける2005年から2018年の間に診断されたMDSに対するalllo-SCT(年齢中央値59歳、多くはIPSS-R int以上、RICが2/3)における診断時と移植時のIPSS-Rの変化が予後にどのように影響したかを評価した試験
移植前に無治療経過観察でIPSS-Rが改善・悪化しても移植後の成績はIPSS-Rが横ばいの患者と同様だった。
通常の化学療法投与でIPSS-Rが改善した患者は化学療法後にIPSS-Rが不変・悪化した患者と比較して移植後のOS・PFSが改善した。一方、HMAでIPSS-Rが改善した患者でもHMA後にIPSS-Rが横ばいの患者と移植後の成績は変わらなかった。またHMA投与でIPSS-Rが悪化した患者ではHMAでIPSS-Rが横ばいの患者と比較して移植後の成績が増悪した。
骨髄芽球もIPSS-Rと同様で通常化学療法では移植前の芽球の減少は一定の効果はある一方でHMAでは効果は乏しく不応例での移植後成績は不良だった。
このためHMA単剤による移植前の治療効果には疑問符がもたれる。
日付 2025年7月29日
担当 研修医
タイトル Safety and efficacy of rilzabrutinib vs placebo in adults with immune thrombocytopenia: the phase 3 LUNA3 study
PMID 40090011
著者 David J Kuter
文献 Blood
要旨 BTKに対する選択性を高めつつ共有結合を調整することでoff target効果を軽減した可逆性競合阻害型BTK阻害薬であるRilzabrutinibによるITPに対する第三相試験 前治療歴ある難治性ITP患者(平均年齢47歳、ITPからの診断年数は中央値7.7年、血小板数中央値1.5万、前治療歴の中央値は4レジメンでTPO-RA使用歴が6割、R使用歴3割、脾摘歴は28%あり)に対してRilzabrutinib400mg1日2回とプラセボをそれぞれ24週間投与した。
最初の12週目で血小板数5万以上または3万以上かつ血小板数2倍以上を達成した患者割合はRilzabrutinib群64%に対してプラセボ群で32%だった。また12目週以降に救援療法を要さず持続的な血小板数を維持できた患者は23% vs 0%だった。

患者背景に関わらずRilzabrutinib群で治療効果を認め、血小板数が反応するまでの中央値は15日だった。救援療法の頻度はプラセボ群の6割弱に対して3割強と半分だった。 治療関連の有害事象として下痢・悪心・頭痛・吐き気などの消化器症状があったが、多くはgrade1/2と軽微で、出血や全身倦怠感の有害事象はプラセボと比較して減少した(炎症を抑制してる可能性あり。)
日付 2025年7月22日
担当 研修医
タイトル Isatuximab, carfilzomib, lenalidomide, and dexamethasone induction in newly diagnosed myeloma: analysis of the MIDAS trial
PMID 39841461
著者 Aurore Perrot
文献 Blood
要旨 移植適応初発MMに対するNGSによるMRDで地固め後治療方針を決めるランダム化比較試験における寛解導入療法後の治療奏功を評価した解析、ORRは95%で91%がVGPR以上に到達した。MRD陰性率は10-5レベルで63%、10-6レベルで47%で、t(4;14)ではMRD陰性率81%と高い一方で、del(17p)ではMRD陰性化率は48%やや低かった。ただし、多変量解析では高リスク染色体異常の有無と寛解導入療法後のMRD陰性化には関係性は認められなかった。有害事象としては血球減少の頻度が高いがCFZに関係した心血管イベントは多くは認められなかった。
日付 2025年7月15日
担当 入吉
タイトル Isatuximab Subcutaneous by On-Body Injector Versus Isatuximab Intravenous Plus Pomalidomide and Dexamethasone in Relapsed/Refractory Multiple Myeloma: Phase III IRAKLIA Study
PMID 40459178
著者 Sikander Ailawadhi
文献 J Clin Oncol
要旨 1コース以上の前治療歴のある再発難治性MMに対して静注Isa-PD(Isa10mg/kg静注)と皮下注Isa-PD(Isa1400mg皮下注固定容量)を比較した試験 皮下注の投与時間は20分未満で6コース目以降はIRRがなければ自宅でのIsa投与を許容
ORRは皮下注群で71.1%、静注群で70.5%と皮下注の非劣勢が確認された。6サイクル目のday1の平均トラフ値は499μg/mLで静注群の340μg/mLより高かった。2割弱の患者で前投薬なしで投与が行われたにも関わらず輸注反応は1.5%対25.0%と皮下注群で少なかった。フォローアップ期間でのPFSやOSは同等
日付 2025年7月8日
担当 葛目
タイトル Measurable Residual Disease-Guided Therapy in Newly Diagnosed Myeloma
PMID 40459097
著者 Aurore Perrot
文献 N Engl J Med
要旨 移植適応初発MMに対するNGSによるMRDを用いたランダム化比較試験の中間解析。年齢中央値は58歳前後で高リスク染色体異常を持つ頻度はIMWG基準で25%程度。Isa-KRd(Kはweekly)で寛解導入療法後にMRD陰性(10-5以下)の場合はsingle ASCTとIsa-KRd地固め2コースか自家移植をせずIsa-KRd6コース、MRD陽性の場合はtandem ASCTかsingle ASCT後のIsa-KRd地固め2コースを行いiberdomideによる維持療法を行う。主要評価項目は維持療法前の10-6レベルでのMRD陰性率。
維持療法前のMRD陰性化率は寛解導入療法後にMRD陰性の場合はASCTがあっても無くても80%強の患者で10-6レベルのMRD陰性化を達成した一方で、MRD陽性の場合にはtandem ASCTをしても維持療法前のMRD陰性率は32%程度と1回しかASCTを施行していない患者の40%と有意差は無かった。
日付 2025年7月1日
担当 研修医
タイトル Prognostic factors and clinical characteristics of patients with newly diagnosed non-secretory multiple myeloma in the era of new drugs in “real-world” study: Experiences of the Polish Myeloma Group
PMID 39206811
著者 Grzegorz Charliński
文献 Adv Clin Exp Med
要旨 2010年以降の新薬時代における非分泌型の症候性MMの予後評価を行った多施設研究(sFLC<100mg以下でsFLC比が異常な低分泌型も含む)。画像評価は6か月毎、骨髄検査は3-6か月毎に施行された。年齢中央値は62歳で6割の患者がsFLC比が異常な低分泌型だった。高リスク染色体異常を有する例は変数程度だった。約8割の患者がBor主体の治療を受け、自家移植まで進んだのは全体の4割弱(維持療法なし)。
初回治療後のVGPR以上の奏効率は66.7%でOS中央値は103か月、自家移植を受けた患者でOSが長かった(中央値未到達vs104か月)。予後に関係する因子はISSⅢ期、貧血、腎不全、β2MG>5.5mg/lだった。
sFLC比が正常か否か予後に影響しなかった。
日付 2025年6月17日
担当 松本
タイトル Graft-versus-Host Disease Prophylaxis with Cyclophosphamide and Cyclosporin
PMID 40513032
著者 David J Curtis
文献 N Engl J Med
要旨 急性白血病寛解期と骨髄異形成症候群に対するHLA 6/6適合血縁ドナーを使用したMAC/RIC前処置におけるPBSCT(患者年齢70歳まで)に対する従来からのsMTX(15-10-10-10-10mg/m^2)+CSAとPTCY(50mg/kg day3,4)+CSA(day5より)の効果を比較したランダム化試験。輸注細胞数は3~10×10^6/kg
GRFSはPTCY群で26.2か月と従来群の6.4か月より有意に長かった。(p値<0.001)。3年GRFSはPTCY群で49%、従来群で14%だった。

移植後3か月でのgradeⅢ-ⅣのaGVHDはそれぞれ3% vs 10%、移植後1年の中等症以上のcGVHD発症率はそれぞれ14% vs 24%とPTCY群で少なかった。2年RFS/OSはそれぞれ74/83% vs 59/71%で事後解析ではPTCY群で再発が少ない可能性が示唆された。移植後1年で免疫抑制剤を中止できた割合はPTCY群で54%、従来群で31%
GVHDとNRMの低下は年齢や前処置強度に関係なく認められた。好中球生着は19日vs 18日、血小板生着率は88% vs 96%とやや低めだった。ドナー・レシピエントの性別、患者のCMV感染状態、併存症、DRIはGRFSと関連せず。

レテルモビルの予防投与がなかったが有害事象全体としてはPTCY群と従来群で有意差はなかった(過去のHLA適合移植に対するPTCY+TAC+MMFによるGVHD予防ではMMFの消化器毒性で有害事象が増加したのとは異なる点)。
日付 2025年6月3日
担当 今井
タイトル Epcoritamab plus GemOx in transplant-ineligible relapsed/refractory DLBCL: results from the EPCORE NHL-2 trial
PMID 39792928
著者 Joshua D Brody
文献 Blood
要旨 自家移植非適応・不成功の再発難治DLBCL(年齢中央値72歳で1/3が75歳以上、CAR-T療法歴3割弱、初回治療抵抗例半分、2割がbulky病変・形質転換礼)に対するエプコリタマブとGemOx(GEM1g/m^2 Cxaliplatin100mg/m^2を2週毎に合計8回投与)の併用療法
GEMはTREGを抑制するためエプコリタマブの効果を増強する可能性あり
フォローアップ中央値13.2か月でORRとCRRは85%と61%、CR持続中央値は23.6か月で年齢による奏効率に差はなかった。前治療1回やCAR-T治療歴のない患者で奏効率が高い。
初回治療抵抗例でもORR/CR率は76/50%程度を期待できる。MRD陰性化率に大きな差はない CRSの重篤化はなかった一方で血球減少の頻度が多く(Grade3の好中球減少が7割)、感染症を3割で起こす(ただし一部はCOVID19流行の影響も受けている可能性あり)
日付 2025年5月27日
担当 研修医
タイトル CPX-351 +/- gemtuzumab ozogamicin as induction therapy for adult patients with newly diagnosed, favourable-intermediate risk, FLT3-ITD negative, AML: A pilot study
PMID 39721590
著者 Chezi Ganzela
文献 Br J Haematol
要旨 70歳以下で新規診断されたFLT3-ITD変異陰性予後良好・中間AMLに対するCPX-351とGOによる併用療法の効果を評価した試験。CPX-351はday1・3・5に投与し、GOはday1に3㎎/m^2を投与。地固めは通常の大量シタラビンか同種移植
患者年齢中央値は58.5歳で半数が予後良好群。実際にCPX-351にGOが併用されたのは1/3の6名、6割が地固めとして同種移植に移行した。
CR率は95%(20名中19名)、寛解導入療法後のMFCによるMRD陰性率は40%で診断時の骨髄芽球が少ないほどMRD陰性化しやすい
MRD陰性率はGO投与群で50%、非投与群で38.5%だが統計学的に有意差なし。
推定1年RFS/OSは80/95%
血球回復までは30日程度かかるがGO追加でも血球回復に影響はない
日付 2025年5月20日
担当 研修医
タイトル Enhanced CAR T-Cell Therapy for Lymphoma after Previous Failure
PMID 40334157
著者 Jakub Svoboda
文献 N Engl J Med
要旨 以前に第二世代CD19-CAR-T細胞療法で再発したCD19陽性リンパ腫患者に対するIL-18を自己分泌する自己CD19-CAR-T細胞療法を3日で製造し輸注する臨床試験。前回のCAR-Tから再発まで6.7か月で1/3は以前のCAR-T細胞療法に無反応、大半はDLBCLか形質転換症例。

輸注3か月後のORRは81%、CR率は52%、DOR中央値は9.6か月で一定の効果あり。
CRSは62%(Grade3は14%)、ICANSは14%だがAEによる死亡症例はない
特に過去にCD28 base CAR-Tを受けた患者で効果が高い(4-1BB baseのCAR-Tは長期間CAR-Tが残存しておりT細胞が疲弊している)

3.0~7.0×10^6個と輸注細胞数は少ないが、迅速作成でかつCD45RA陽性、CCR7陽性と幹細胞の特性を有していることが奏功に繋がった可能性がある。ただしその後の再発でもCD19陽性症例が多くT細胞の疲弊が完全に解決されたわけではなさそう。
日付 2025年5月13日
担当 町田
タイトル Isatuximab, Lenalidomide, Bortezomib, and Dexamethasone Induction Therapy for Transplant-Eligible Newly Diagnosed Multiple Myeloma: Final Part 1 Analysis of the GMMG-HD7 Trial
PMID 39652594
著者 Elias K Mai
文献 J Clin Oncol
要旨 新規診断の移植適応多発性骨髄腫患者(70歳未満)に対する初回のIsa-VRD療法とVRD療法を比較したランダム化比較試験の自家移植後長期フォロー。Harvestは3サイクル後に実施。移植後もMRD陰性化率は66% vs 48%とIsa-VRD療法群で高くPFSも良好だった(3年PFS 84% vs 73%)。VRD療法群でタンデム自家移植の割合が高く、寛解導入療法による奏効率の向上が大きく寄与した。逆に自家移植後の維持療法がLEN単独かIsa-LEN併用かはPFS延長には大きく寄与しなかった(途中でMRD陽転化した患者は例外)。
自家移植によるPFS延長はMRD陰性患者では両群で差がなかったが、MRD陽性患者ではIsa-VRD療法群で優れていた(HR 0.64; P = .03)。
日付 2025年4月22日
担当 研修医
タイトル Daratumumab/lenalidomide/dexamethasone in transplant-ineligible newly diagnosed myeloma: MAIA long-term outcomes
PMID 40016302
著者 Thierry Facon
文献 Leukemia
要旨 移植非適応初発MMに対するDRd対Rdの5年以上の長期フォローアップ
ORRとCRRはDRd群とRd群それぞれ92.9/51.1% vs 81.6/30.1%とDRd群で良好だった。5年PFS/OSも52.1/66.6% vs29.6/53.6%とDRd群で良好で、MRD陰性化率は32.1%対11.1%と治療継続と共に持続的に増加した。
PFSの延長効果は全ての年齢層で一貫して認められた一方で、OS延長効果は75歳未満では認められたが75歳以上では認められなかった。
DARA追加による好中球減少と貧血の頻度が増加するが追加観察期間中の新規の有害事象は認めず。
日付 2025年4月15日
担当
タイトル Valemetostat for patients with relapsed or refractory peripheral T-cell lymphoma (VALENTINE-PTCL01): a multicentre, open-label, single-arm, phase 2 study
PMID 39486433
著者 Pier Luigi Zinzani
文献 Lancet Oncol
要旨 再発治療抵抗性のPTCL (年齢中央値69歳、7割が男性、PTCLのうちAITLが3割、PTCL-NOSが3割)に対するvalemetostat 200mg/dayの第二相試験。
フォローアップ期間中央値は1年ORRはCT・PET-CTでそれぞれ44%/52%、CR・CMRそれぞれ14%/27%。奏功を得るまで2か月、PFS中央値は5.5か月、OS中央値は17か月。TET2・ROHA変異を認める症例では奏効率が1-2割ほど高かった。

Grade3-4の有害事象で最も多かったのは血小板減少(23%)で容量変更の主な要因。血球回復には2週間を要するが感染症は少なく治療中断率は10%程度。
日付 2025年4月8日
担当 入吉
タイトル Efficacy and safety of venetoclax plus azacitidine for patients with treatment-naive high-risk myelodysplastic syndromes
PMID 39652823
著者 Jacqueline S Garcia
文献 Blood
要旨 未治療高リスクMDS(blast20%以下、IPSS-R3.5点以上、年齢中央値68歳、骨髄芽球比率は11.0%)に対するAza+VEN(Aza75㎎/m21週間、VEN400㎎2週間を28日毎)の効果を評価した第2相試験
CRは29.9%、marrow CRは50.5%、輸血依存からの離脱は40.7%、OS中央値は26か月でCRとなった患者でのOS中央値は未達、全患者の2年OSは51.3%
AMLへの移行率は12.3%と既報よりも少ない
治療回数中央値は4サイクル、4割でFNを併発し半数の患者でVENの減量を要した、
4割が移植に移行しているが生存期間にはカウントせず
日付 2025年4月1日
担当 浦田
タイトル Comparison of Standard-of-Care Idecabtagene Vicleucel and Ciltacabtagene Autoleucel in Relapsed/Refractory Multiple Myeloma
PMID 39965175
著者 Doris K Hansen
文献 J Clin Oncol
要旨 再発治療抵抗性MM患者に対するIdel-celとCilta-celの効果を比較した後方視的研究:年齢中央値は65歳、輸注が行われなかった割合は10%以下、フォローアップ中央期間は1年程度、高リスク染色体異常は1/3、EMDを有する患者が1/4程度
両群のバランスをとって比較をしたところCilta-celはgrade3以上のCRSや感染・遅発性の頻度が高く、遅発性神経毒性や二次性悪性腫瘍が多い傾向にあった。
一方でICANSは重症例も含め頻度は変わらず、輸注後3か月目にCR以上の治療効果を得る頻度やPFS中央値はcilta-cel輸注患者で高かった。Cilta-celのIde-celに対するPFSの優越性はEMDを有する患者や高リスク染色体異常を有する患者でも認められた。
日付 2025年3月25日
担当 野間(研修医)
タイトル Antibiotic Treatment for 7 versus 14 Days in Patients with Bloodstream Infections
PMID 39565030
著者 Nick Daneman
文献 N Engl J Med
要旨 免疫不全や慢性感染症を基礎に持たない敗血症入院患者に対する抗菌薬投与期間を7日間と14日間で比較したランダム化比較試験
起因菌はグラム陰性菌が4割と一番多い一方で組織定着性の強い黄色ブドウ球菌の症例は除外、全体の2割が固形癌患者、1割がステロイド使用患者

敗血症発症後90日後までの死亡率は7日群で14.5%、14日群で16.1%と非劣勢で、ICUによる死亡や敗血症の再燃も非劣勢だった。
抗菌薬の有害事象やCD感染症の頻度も同程度。

ただしサブグループ解析ではグラム陽性球菌が起因菌の場合や肺が感染源、デバイスを有している場合には7日間投与はやや劣る。
日付 2025年3月18日
担当 葛目
タイトル Long-Term Outcomes of Autologous Stem Cell Transplantation in Patients with Newly Diagnosed POEMS Syndrome
PMID 37931801
著者 An-An Li
文献 Transplant Cell Ther
要旨 POEMS症候群に対する初回自家移植の長期後方視的コホート研究
自家移植を受けたのは1028人中244名と少なめ。年齢中央値は46歳で65歳以上は除外、初診時のOLNSスコアは中央値4点でVEGFは4518pg/ml、寛解導入療法を施行された患者は4割程度、前処置はほぼ全例MEL200mg/m^2、ESの発症率は5%程度
CRは57.3%、VEGFが600pg/ml以下に正常化CR率は68.6%、神経症状の改善した人は92.6%
5年OSは92.8%だが移植5年後には7割の患者が二次治療に移行する。5年後の二次治療移行率はVEGFの消失したCR患者で54.2%とVEGFが正常化しないCR患者の60.7%よりも良好だった。 維持療法が少なく二次性悪性腫瘍は2.9%程度と少なめ。
日付 2025年3月11日
担当 松本
タイトル Single versus tandem autologous stem cell transplantation in newly diagnosed multiple myeloma
PMID 39638882
著者 Nora Grieb
文献 Bone Marrow Transplant
要旨 ドイツの移植レジストリーデータからシングルASCTとタンデムASCTを比較した後方視的研究(ASCTをしていない患者との比較はしていない)
OSやEFSは新規薬剤の全年齢層で改善しているが、それでも初回ASCTでCR(近年ではVGPR)を達成しなかった人ではタンデムASCTで生存ベネフィットが認められた。
高リスク染色体異常の有無はタンデム移植のメリットとはならない。

逆に寛解導入療法または初回ASCTでCRとなった患者ではタンデムASCTを行う恩恵は乏しい。また高齢患者や腎障害を有するⅢ期の患者ではタンデムASCTをするとシングルASCTよりもOSが悪化する(メルファランの排泄遅延によって2回目の移植でTRMが増加するため)。
日付 2025年3月4日
担当 今井
タイトル CAR+ T-Cell Lymphoma after Cilta-cel Therapy for Relapsed or Refractory Myeloma
PMID 39938094
著者 Simon J Harrison
文献 N Engl J Med
要旨 MMに対するBCMA-CAR-T細胞療法(cilta-cel)後に発症したCAR-T由来のT細胞性リンパ腫に関する2例報告
Cilta-cel輸注1-2年以内にウイルス感染を契機にCAR由来のPTCL-NOSを発症している。CD4・CD8共に陰性で皮膚病変が特徴。
Cilta-cel導入前からTET2変異を有するクローン性造血が検出されており、CAR導入でクローンが拡大しリンパ腫に至った可能性あり
日付 2025年2月25日
担当 町田
タイトル Prophylactic maintenance with venetoclax/azacitidine after reduced-intensity conditioning allogeneic transplant for high-risk MDS and AML
PMID 38197938
著者 Jacqueline S Garcia
文献 Blood Adv
要旨 VEN+FLU+BU2でRIC移植を受けた患者(年齢中央値67歳、2/3がMDS、FCMでMRD陽性が半数)に対して移植後42~90日目にAza36mg/m^2+VEN400mg(それぞれ5日と2週間)による維持療法を行った成績。維持療法は好中球>1000・血小板>5万で開始、好中球減少は必発だったが、FNの発症は一件のみでG-CSFの使用例もなし
二次性生着不全の発症はなく、cGVHDの頻度も既報と同等かやや少少なめ
再発はほぼ1年以内に多く、再発例は全例移植前の分子学的MRDが陽性、逆に移植後100日時点で分子学的MRD陰性なら移植後2年PFSは89%
ただし移植前にAza+VEN耐性だった患者に関するコメントはない
日付 2025年2月18日
担当
タイトル A matching-adjusted indirect comparison of the efficacy of elranatamab versus teclistamab in patients with triple-class exposed/refractory multiple myeloma
PMID 38347747
著者 Isha Mol
文献 Leuk Lymphoma
要旨 PI・IMIDs・抗CD38抗体抵抗性の難治性多発性骨髄腫に対する二つのBCMA-CD3二重特異性抗体であるエルラタナマブとテクリスタマブの治療成績を患者背景を調整した上で比較した後方視的マッチング調整間接比較試験(MAIC)。
エルラタマブはテクリスタマブよりもORR/CRが75.3/43% vs 63.0/39.4%と奏功が優れ、PFSが有意に良好だった(HR0.59 95%CI0.39-0.89)。OSもやや良い傾向あり(HR0.66 95%CI0.42-1.03)。ただし安全性の比較は行われていない。
日付 2025年2月4日
担当 浦田
タイトル Daratumumab with lenalidomide as maintenance after transplant in newly diagnosed multiple myeloma: the AURIGA study
PMID 39331724
著者 Ashraf Badros
文献 Blood
要旨 抗CD38抗体を使わない寛解導入療法(多くはVRD療法4サイクル以上)でVPGR以上だがNGS法でMRD陽性の効果を得た新規診断MM患者(年齢中央値62歳、高リスクは2割)に対する自家移植後のLEN単剤とDARA+LEN(36サイクル LEN10㎎+DARAは1800㎎を1週毎、7サイクル目以降4週毎)を比較した試験。12か月時点でのMRD陰性化率(10-5)は50.5%vs 18.8%で30か月時点でのPFSも82.7% vs 66.4%と良好だった(高齢者や高リスクでも同様)。
血球減少は54.2% vs 46.9%と若干多い程度(多くは好中球減少)
Grade3/4の感染症は18.8% vs 13.3%(多くは肺炎)

ただし自家移植後12か月以内にMRD陰性となる患者集団ではLEN単剤でも自家移植後30か月時点でのPFSは約95%良好でDARAの上乗せ効果は乏しいが本研究ではMRD陰転化の予測因子は同定できず。
日付 2025年1月28日
担当 池淵
タイトル Brentuximab Vedotin Combination for Relapsed Diffuse Large B-Cell Lymphoma
PMID 39772655
著者 Nancy L Bartlett
文献 J Clin Oncol
要旨 R/RのDLBCL患者(2ライン以上抵抗性、CART歴3割、二重特異抗体投与歴15%、年齢中央値70歳、CD30陽性率30%(1%で陽性))に対するBV(1.2mg/kgを3週毎)+LEN(20mg)+RとLEN+Rを比較した試験、BV追加でOS中央値は8.5ヶ月から13.8ヶ月に延長しORR/CRRも42/19%から64/40%に改善 血球減少の他に下痢の有害事象が多い。治療回数は5サイクル程度。治療効果とCD30発現率やCOO、CART細胞療法の既往は関係ない(主要微小環境に影響?) 自家移植後はやや効果が低め
日付 2025年1月21日
担当 森澤
タイトル Talquetamab plus Teclistamab in Relapsed or Refractory Multiple Myeloma
PMID 39778168
著者 Yael C Cohen
文献 N Engl J Med
要旨 難治性MM(診断後6.1年、全ての患者が3剤不応性、年齢中央値63歳)に対するGPRC5DとCD3二重特異抗体のTalquetamabとBMCAとCD3の二重特異抗体であるteclistamabの併用療法を評価したphase1-2試験
投与スケジュールはTalquetamab 0.8 mg/㎏と teclistamab 3.0/kgを2週毎ただしPR以上なら月1回に減らす

80名中78名がVGPR以上、52名がCR以上と奏効率は高く、EMDがあっても61%で奏効を認めた。

一方で各単剤と比較してGrade3-4のAE(感染症・血球減少・味覚障害)が多かった(感染症の場合は併用では64%だが単剤では14-20%)。CRSは多いがICANSはまれ。
日付 2025年1月14日
担当 入吉
タイトル Comparison of CAR T-cell and bispecific antibody as third-line or later-line treatments for multiple myeloma: a meta-analysis
PMID 39551604
著者 Xiaojie Liang
文献 J Immunother Cancer
要旨 2024年5月までの難治性多発性骨髄腫(BCMA関連の投与歴なし)に対する3次治療以降おけるBCMA-二重特異性抗体治療とBCMA-CART細胞療法を比較したmeta analysis。

CR率はBCMA-CAR-T細胞の方が良好。
CR/ORR率はBCMA-二重特異抗体で35/65% BCMA-CAR-T細胞で54/83%

一方で副作用もBCMA-CAR-T細胞療法で多くCRS以外にGrade3以上の好中球減少・貧血も多い
BCMA-二重特異抗体で48/34%
CAR-Tで88/55%

BCMA-CAR-T細胞の中でもcilta-celでCR率が高いが副作用はIde-celと同等。
Cilta-celで特徴的な遅発性神経毒性の評価はできていない。
日付 2025年1月7日
担当 葛目
タイトル Central nervous system prophylaxis in large B-cell lymphoma: A British Society for Haematology Good Practice Paper
PMID 39128894
著者 Matthew R Wilson
文献 Br J Haematol
要旨 LBCLのCNS再発予防のガイドライン CNS-IPIで5点以上、腎・副腎・精巣・乳房浸潤、PET-CTで節外病変3つ以上がCNS再発高リスク
硬膜外、眼窩、頭蓋顔面はリツキシマブ投与ではCNS再発のリスクとならない
DHLのCNS再発リスクは6%程度、無症候患者でも初診時に10%程度はCNS浸潤陽性
予防的HD-MTXをする場合はCR確認後に投与する(R-CHOP終了後)
3-3.5g/m2を2回程度
投与時間は2時間程度がピーク値が高くなりCNS移行が改善すうるが臓器能の事前評価が重要に
髄注の役割は限定的で中等量MTX(1-3g/m2)の併用なら有効である可能性もあるがdataが乏しい