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抄読会 2019年

最新文献紹介

2019年

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日付 2019年12月26日
担当 徳橋(研修医)
タイトル Gait speed, grip strength, and clinical outcomes in older patients with hematologic malignancies
PMID 31167800
著者 Liu MA
文献 Blood
要旨 75才以上の初発の造血器悪性腫瘍患者において歩行速度低下(0.8ml/s以下)は死亡や予定外入院と相関しており特にNHLでその関連性が高く、PS0-1の患者でも死亡率が増加する。一方で握力低下(30kg以下)はやや死亡と関連するが予定外入院とは関連しない


日付 2019年12月19日
担当 町田 拓哉
タイトル Dose-adjusted EPOCH-R compared with R-CHOP as frontline therapy for diffuse latge B-cell lymphoma: clinical outcomes if the phase Ⅲ intergroup trial Alliance/CALGB 50303
PMID 30939090
著者 Bartlett NL
文献 JCO
要旨 CNS浸潤のない初発DLBCL524名(DEL42名、MYC転座陽性13名を含む)に対するDA-R-EPOCHとR-CHOPの5年PFS/OSは68/77.5%と66/78.5%でDELも含めて有意差なし。ただしR-CHOP群の成績が既報よりも良好でIPIがHighの患者ではDA-R-EPOCHのPFSがやや改善しており試験登録の段階でaggressiveな症例登録されなかった可能性もある


日付 2019年12月12日
担当 藤澤 佑香
タイトル Liquid biopsy in lymphoma
PMID 30846503
著者 Rossi D
文献 Haematologica
要旨 悪性リンパ腫に対するliquid biopsyのreview、確定診断目的での使用は現状ではMYD88など特異度の高い遺伝子変異のあるPCNSLに限られる。一方で微小残存病変の評価に関しては化学療法2コース後、血中の腫瘍DNAがHLでは2log以上低下、DLBCLでは検出不可になると治癒に至る可能性が示唆されている


日付 2019年12月5日
担当 入吉
タイトル analysis of cardiovascular and arteeriothrombotic adverse events in chronic-phase CML patients after frontline TKIs
PMID 30885996
著者 Jain P
文献 Blood Adv
要旨 CML-CPに対するTKI使用時の心血管イベントに関する報告 従来通りもともとリスクがある人やポナチニブを仕様しているときに心血管イベントを起こしやすい、一方でイマチニブも長期間使用すると高血圧症や時にうっ血性心不全を起こすことあり


日付 2019年11月28日
担当 井上(研修医)
タイトル Treatment of acute leukemia in adult Jehovah’s Witnesses
PMID 31693175
著者 El Chaer Firas
文献 BJH
要旨 エホバの証人に対する白血病加療の報告 貧血には代替製剤を、血小板減少にはTPO受容体作動薬の報告もあるらしい



日付 2019年11月21日
担当 学会予演
タイトル  
PMID  
著者  
文献  
要旨  


日付 2019年11月14日
担当 岡 聡司
タイトル Chromosomal abnormaliities and prognosis in NPM1-mutated acute myelid leukemia: a pooled analysis of individual patient data from nine international cohorts
PMID 31430225
著者 Angenendt L
文献 JCO
要旨 NPM1陽性FLT3-ITD変異陰性または低アレルのAMLにおいて染色体異常の存在は生存を悪化させる。特に高リスク染色体異常ではNPM1変異陰性例と同様に5年OS/は19.5%と予後不良であり60歳以下では1st CRで同種移植するほうが生存が改善する。一方中間リスクの染色体異常も正常核型より若干予後が悪いが1stCRの移植では再発がNRMで相殺されるため予後は改善しなかった。


日付 2019年11月7日
担当 藤下 惠悟
タイトル Clinical, histopathological and molecular characterization of hypoplastic myelodysplastic syndrome
PMID 30940907
著者 Bono
文献 Leukemia
要旨 低形成MDSは骨髄性腫瘍と良性の骨髄不全症の2群に分かれ前者の予後は正形成~過形成のMDSと同等である一方で後者の予後は再生不良性貧血と同等、この2群はhgスコア2点以上(骨髄芽球≧5%:2点、骨髄芽球2~4%:1点、MF2~3の線維化:1点、巨核球の異形成:1点、環状鉄芽球≧15%:2点、環状鉄芽球5~14%:1点、高度の顆粒球異形成:1点、WHOで規定された染色体異常:2点、MDSに特徴的な遺伝子変異のパターン:1点)で層別化できる


日付 2019年10月31日
担当 角野(研修医)
タイトル Intraveous but not intrathecal central nervous system-directed chemotherapy imprives survival in patients with testicular diffuse large B-cell lymphoma
PMID 31082690
著者 Mannisto S
文献 Eur J cnacer
要旨 精巣原発DLBCL189名(年齢中央値69歳,限局期65%,初診時CNS陽性は除く)の5年OS/PFSは60/52%でCNS再発率は8.4%でHDMTX/HiDAC(1.5/8g/m^2以上投与)による全身的な中枢神経予防(年齢中央値64歳)は中枢神経再発は減少させないものの年齢に関係なく全身性再発を減らすことで生存を改善する一方で髄腔内投与はリツキシマブ非使用群ではやや生存を改善するがリツキシマブ投与群では生存を改善させない



日付 2019年10月24日
担当 今井 利
タイトル Impact of concurrent indolent lymphoma on the clinical outcome of newly diagnosed diffuse large B-cell lymphoma
PMID 31350266
著者 Wang Y
文献 Blood
要旨 新規診断のDLBCLの12.9%で低悪性度リンパ腫の合併を認める。大部分は濾胞性リンパ腫で同一リンパ節組織に認めることが多くDLBCLはGCB型が多い。その他の低悪性度リンパ腫は主に骨髄に認められることが多くDLBCLはnon-GCB型が多い。前者のOSはDLBCL全体よりはやや良好だがGCB型DLBCLとはほぼ同等、後者のOSはDLBCL全体とほぼ同等となっている(ただし治療強化を受けた患者や自家移植を受けた患者の割合に関しては言及なし



日付 2019年10月17日
担当 加島PT
タイトル 当院での移植成績とサルコペニアに関する発表
PMID  
著者  
文献  
要旨  



日付 2019年10月10日
担当 町田 拓哉
タイトル Comparing a neutropenic diet to a food safety-based diet in pediatric patients undergoing hematopietic stem cell transplantation
PMID 30910605
著者 Taggart C
文献 Biol of blood and marrow transplant
要旨 小児同種移植造血幹細胞移植に対して生野菜や果物の使用を認めた生禁食は100日OSやNRM、血流感染症の頻度は不変で腸管GVHDに関しては有意差はないものの対照群28%に比べて17%ひ少ない傾向を認めた


日付 2019年10月3日
担当 入吉
タイトル Daratumumab plus lenalidomide and dexamethasone for untreated myeloma
PMID 31141632
著者 Facon T
文献 N Engl J Med
要旨 65才以上で移植非適応の多発性骨髄腫に対するDRd療法はRd療法と比較してLENの減量した割合が高いにもかかわらずCR率47.6%vs24.9%、30ヶ月PFS70.6%vs55.6%と良好で75歳以上でも効果を認めたが肺炎を13%に認め高リスク染色体異常に対するPFS延長効果は再発例よりも短い


日付 2019年9月19日
担当 藤澤 佑香
タイトル Nivolmab for newly diagnosed advanced-stage classic hodgkin lymphoma: safety and efficacy in the phase Ⅱ checkmate 205 study
PMID 31112476
著者 Ramchandren R
文献 JCO
要旨 未治療進行期ホジキンリンパ腫に対してニボルマブ240mg単剤を4回投与後にニボルマブ+AVD療法6コースでORR84%、CR67%となる。奏効率はPD-1の発現と相関しN+AVD療法2コースで半数がCRとなる。A-AVD療法と異なり60才以上の高齢者でも効果がありそう



日付 2019年9月12日
担当 岡 聡司
タイトル comprehensive clinical-molecular transplant scoring system for myelofibrosis undergoing stem cell transplantation
PMID 30760453
著者 Gagelmann N
文献 Blood
要旨 白血化を除く原発性・続発性骨髄線維症に対する同種移植においてWBC>25000(1点)、Plt<15万(1点)、KPS<90%(1点)、CALR/MPL変異なし(2点)、年齢57才以上(1点)、HLA不適合非血縁者間移植(2点)、ASXL1変異あり(1点)でスコア化(MTSS)した場合、5年OS/NRMは低リスク(~2点)で90/10%、中間リスク(3~4点)で77/22%、高リスク(5点)で50/36%、超高リスク(6~9点)で34/57%となる。Ruxolitinibの影響は期間が短く評価できていない


日付 2019年9月5日
担当 池内 一廣
タイトル Influence of Donor type (sibling versus matched unrelated donor veusus haploidentical donor) on outcomes after clofarabine-based reduced-intensity conditioning allograft for myeloid malignancies
PMID 30928627
著者 Bouard L
文献 Biol of blood and marrow transplant
要旨 骨髄性腫瘍に対するRIC前処置(HLA適合ドナーではClo30mg/m^2×4~5日+ivBU3.2mg/kg×2日+ATG2.5mg/kg×1~2日、ハプロドナーではClo30mg/m^2×5日+CY14.5mg/kg+TBI2Gy)を用いたCRでのPBSCTではハプロドナーで1stCRの患者が少なかったにもかかわらず2年OSはMSD、MUD、ハプロで73.9%,64.7%,60.3%で有意差はなかった。


日付 2019年8月29日
担当 天野(研修医)
タイトル Risk of HBV reactivation in patients with B-cell lymphomas receiving obinutuzumab or rituximab immunochemotherapy
PMID 30341058
著者 Kusumoto S
文献 Blood
要旨 オビヌツズマブはリツキシマブと同程度のHBV再活性化を来たす。定量出来ない程度のHBV-DNA検出例だけでなくHBs抗体陰性・HBc抗体陽性はHBV再活性化リスクが高く核酸アナログの内服が望まれる



日付 2019年8月22日
担当 藤下 惠悟
タイトル Complex karyotype in de novo acute myeloid leukemia: typical and atypical subtypes differ molecularly and clinically
PMID 30737482
著者 Mrozek K
文献 Leukemia
要旨 複雑核型を有するde novoのAMLは予後不良であるがその中でも5q、7q、17pいずれかの異常を認める例はp53変異を高率に伴い3年DFS0%、OS1%特に予後不良であるのに対し非典型例はキナーゼやRASの変異が多く3年DFS10%、OS24%とやや予後が良い



日付 2019年8月15日
担当 今井 利
タイトル HLA-haploidentical stem cell transplantation using posttransplant cyclophosphamide
PMID 31104211
著者 Sugita J
文献 Int J Hematol
要旨 PTCYに関するレビュー ドナー選択に関しては若年ドナーが望ましい。PBSCTで再発は減るが中等症以上のcGVHDは増える傾向にある。CRSはHLAクラス2ミスマッチがリスクでPBSCTでは必発だがBMでRICなら半分程度しか起きない。PTCYの再発は勝負ハプロと同程度



日付 2019年8月8日
担当 町田 拓哉
タイトル PTCy-based haploidentical vs matched related or unrelated donor reduced-intensity conditioning transplant for DLBCL
PMID 30723110
著者 Dreger P
文献 Blood Adv
要旨 再発のDLBCL(約半数は自家移植歴あり)でPR以上の効果を救援療法で得られて入れば適切な血縁・非血縁HLA適合ドナーがいなくてもTBIによる前処置でPT-CY-Haplo移植をすることで3年OS46%、PFS38%とHLA適合ドナーと同等の移植成績を得られGRFSも良好、再発は1年以内に多い


日付 2019年8月1日
担当 入吉 宏紀
タイトル Obinutuzumab for the first-line treatment of follicular lymphoma
PMID 28976863
著者 Marcus M
文献 N Engl J Med
要旨 初発濾胞性リンパ腫に対するオビツズマブを使用した化学療法はリツキシマブを使用したものと比較して奏効率は同じであるもののPFSを延長させる。ただし血球減少は強くBEN併用時は維持療法期間中の感染症が多くなる



日付 2019年7月25日
担当 藤澤 佑香
タイトル Positron emission tomography score has greater prognostic significance than pretreatment risk stratification in early-stage hodgkin lymphoma in the UK RAPID study
PMID 31112475
著者 Barrington SF
文献 JCO
要旨 bulky病変やB症状のない限局期ホジキンリンパ腫に対しABVD療法3コース後のPET-CTでCRでIFRT(30Gy)あり、CRでRTなし、PET陽性でABVD1コース追加後RTだった場合の5年EFSは96%、90.1%、84.6%と進行期の中間PETほど大きな差はないが中間PET陽性の中でもドービルスコア5点以上のものは5年EFS61.9%と予後不良である


日付 2019年7月18日
担当 加島PT
タイトル Effects of physical execise on survival after allogeneic stem cell transplantation
PMID 26061092
著者 Wiskemann J
文献 Int J Cancer
要旨 HLA適合DonorからのRICによる前処置を主体とした同種造血幹細胞移植において血小板1万未満、Hb8g/dl未満、38℃以上の発熱がある時以外に週5回、1日20-40分の運動療法を行う事で、非介入群と比較して退院後の感染症が減少し退院後の総死亡率・NRMが28.3→12.0/13.5→4.0%に減少する



日付 2019年7月11日
担当 岡 聡司
タイトル Inotuzumab ozogamicin in combination with low-intensity chemotherapy (MINI-HCVD) with or without blinatumomab versus standard intensive chemotherapy (HCVAD) as frontline therapy for older patients with philadelphia chromosome-negative acute lymphoblastic leukemia: a propensity score analysis
PMID 30985931
著者 Jabbour EJ
文献 Cancer
要旨 60才以上で新規診断のALLに対してmini Hyper-CVD/MA交代療法ににInotuzumab ozogamicinをday2、8に追加(inductionで0.6mg、0.3mg/m^2、consoliで0.3mg/m^2づつ)しこれにPSL・VCR・MTX・6MPによる維持療法1年半±blinatumomabによる維持療法4サイクルによって従来のHyper-CVAD/MAと比較し3年EFS49%vs29%、3年OS54%vs32%を得られる。(VODは10%程度で発症)


日付 2019年7月4日
担当 池内 一廣
タイトル Characterization of viral infections after antithymocyte globulin-based conditiong in adults undergoing allogeneic hematopoietic stem cell transplantation
PMID 31128324
著者 Bradley Figgins
文献 Biol of blood and marrow transplant
要旨 50代の造血器悪性腫瘍患者にHLA適合非血縁ドナーから主にMACを前処置として移植をした際にGVHD予防でminiMTX又はMMFとTACに加えてATGを4mg/kg投与するとATGを使用しないHLA適合血縁ドナーと比較して6ヶ月時点でのRFSやOSは同様であるがCMVやEBV、BKによる感染症が増えて30ヶ月OSは27%vs77%まで悪化する(CMV感染症に関しては対照群と有意差はないがHLA適合血縁ドナーではCMV未感染のレシピエントが多かった)



日付 2019年6月27日
担当 楠瀬(研修医)
タイトル How I manage anticoagulant therapy in older individuals with atrial fibrillation or venous thromboembolism
PMID 30926593
著者 Chan NC
文献 Blood
要旨 高齢者のAfやDVTに対しては基本的にDOACで加療する。BP160/90mmHg以上の高血圧がある際は先に血圧を下げてから加療することで出血予防する。既に抗血小板薬を内服している場合は1年以内のACSや3ヶ月以内の頸動脈バイパス治療をしていない限り抗血小板薬は休薬する。転倒の既往があっても毎日転倒する様な人でない限り抗凝固のメリットが高い。透析患者でもアピキサバンは使用可能


日付 2019年6月20日
担当 二宮(研修医)
タイトル How I treat cancer-associated veous thromboembolism
PMID 30478093
著者 Kraaijpoel N
文献 Blood
要旨 腫瘍関連のDVTに対しては基本的にDOACによる加療の方が再発が少ないが上部消化管腫瘍の場合は出血リスクが多いため低分子ヘパリンが頻用される。ワーファリンは出血リスクが高く最初の3ヶ月は使用を避ける。治療期間は3-6ヶ月程度だが腫瘍の活動性があるときは継続する。亜区域の無症候性肺塞栓症には無治療でも良いがカテーテル関連の血栓では抜去前に数日間抗凝固を行なうことが望ましい


日付 2019年6月13日
担当 藤下 惠悟
タイトル Transplant-associated thrombotic microangiopathy is an edothelial complication associated with refractoriness of acute GVHD
PMID 28650448
著者 M Zeisbrich
文献 BMT
要旨 移植前に血管内皮障害マーカーであるST2の上昇やトロンボモジュリン遺伝子の高リスク多型を有する場合は移植後のTMAが増加する。これに対してスタチンの予防投与はTMAやそれに伴うステロイド抵抗性のGVHDを減少させる。


日付 2019年6月6日
担当 今井 利
タイトル Choosing a reduced-intensity conditioning regimen for allogeneic stem cell transplantation, fludarabine/busulfan versus fludarabine melphalan: a systematic review and meta-analysis
PMID 30471339
著者 Jain T
文献 Biol of blood and marrow transplant
要旨 骨髄非破壊的前処置におけるFLU+BU(ivBU換算で7.2mg/kg未満)とFLU+MEL(140mg/m^2未満)を比較するとAML/MDSではFLU+MELの方が再発が少なくOSも改善するがNRM,aGVHDは増加する。一方で低悪性度リンパ腫ではFLU+BUの方がNRMが低い分若干OSが改善する



日付 2019年5月30日
担当 町田 拓哉
タイトル Dose-adjusted EPOCH-R(etoposide, prednisone, vincristine, cyclophosphamide ,doxorubicine, and rituximab) in untreated aggressive diffuse large B-cell lymphoma with MYC rearrangement: a prospective, multicentre, single-arm phase 2 study
PMID 30501868
著者 Dunleavy K
文献 Lancet Haematol.
要旨 DHLも含むMYC転座を有するDLBCLに対するDA-R-EPOCH+ITは2年EFS71%,OS76.7%(MYC転座のみの患者ではPS不良の患者が多かったせいかPFS、OSともDHL患者と比べ不良)、2コース後の中間PET-CTでCRなら2年PFS87.4%、OS87.5%でありASCTも不要かも



日付 2019年5月23日
担当 松野(研修医)
タイトル How I treat early-relapsing follicular lymphoma
PMID 30700421
著者 Casulo C
文献 Blood
要旨 FLIPI高リスク群の6割、PRIMA-PI高リスク群の4割が初回FL治療後2年以内に再燃(2-3割が形質転化)するがより精度の高い予測因子はない。治療に関しては早期再発後1年以内であれば自家移植で5年OS70%程度が期待できる。新薬ではR+LENやPI3Kδ阻害薬のumbralisibが期待できる



日付 2019年5月16日
担当 藤澤 佑香
タイトル AUGMENT: a phaseⅢ study of lenalidomide plus rituximab versus placebo plus rituximab in relapsed or refractory indolent lymphoma
PMID 30897038
著者 Leonard JP
文献 JCO
要旨 再発治療抵抗性のインドレントリンパ腫(8割がFL,5割が高腫瘍量、1/3が2年以内の再発)に対してR375mg/m^2+LEN20mg(day1-21)はR単剤と比較して2年PFS 58% vs 36%、2年OS93%vs 87%であり3割でCRを得る。また高腫瘍量や2年以内の再発でも効果あり。


日付 2019年5月9日
担当 岡 聡司
タイトル Brentuximab vedotin with chemotherapy for CD30-positive peripheral T-cell lymphoma (ECHELON-2): a global, double-blind, randomised, phase3 trial
PMID 30522922
著者 Horwitz S
文献 Lancet
要旨 CD30陽性(陽性率10%以上)のT細胞性リンパ腫に対するCHP+BV療法(1/5はその後ASCTを施行)は5年PFS57%、5年OS77%と良好な治療効果を示しAITLで奏効率が高いが下痢とPNの頻度がやや多い



日付 2019年4月25日
担当 難波(研修医)
タイトル Acute myeloid leukemia and pregnancy: clinical experience from single center and a review of the literature
PMID 28645262
著者 Fracchiolla NS
文献 BMC cancer
要旨 妊婦の0.07%~0.1%が癌を発症し多くは固形癌であるが血液覚醒腫瘍の中ではAMLが全体の2/3を占め最多、妊娠初期では中絶、妊娠中期では化学療法しつつ妊娠継続(ただし胎児死亡率は10%)、妊娠後期では化学療法継続か分娩、IDAは胎盤通過するのでDNRとする、ATRAは中期以降使用できるが、HUやATOは妊娠後期でも使用禁、輸血はCMV陰性の製剤を使用する。



日付 2019年4月18日
担当 池内 一廣
タイトル Eltrombopag for treating thrombocytipenia after allogeneic stem cell transplantation
PMID 30710685
著者 Yuan C
文献 Biol of blood and marrow transplant
要旨 同種移植後のGVHDを伴わない血小板生着不全に対するエルトロンボパグ使用は半数の人で約1ヶ月程度で効果を認めるものの再発やGVHDを増加させる可能性がある



日付 2019年4月4日
担当 藤下 惠悟
タイトル BCR/ABL1-like acute lymphoblastic leukemia: How to diagnose and treat?
PMID 30561755
著者 Chiaretti
文献 Cancer
要旨 Ph-like ALLに対するレビュー:確立された診断基準はないが近年は検査法の組み合わせによるアルゴリズムで計算することが多い。CRLF2転座とJAK/STAT系に変異を持ったものとABLなどチロシンキナーゼに変異を持った二つのサブグループに分かれCRLF2転座を有する方が予後が悪い。TKI・JAK2阻害薬単剤での効果は乏しく併用療法が主体になると予想される



日付 2019年3月29日
担当 今井 利
タイトル Development of pre-engraftment syndrome, but not acute graft-versus-host disease, reduces relapse of acute myelogenous leukemia after single cord blood transplantation
PMID 30771495
著者 Masamichi I
文献 Biol of blood and marrow transplant
要旨 急性骨髄性白血病に対するATGを使用しないMACを用いた前処置でのsingle CBTでPIRが生じた場合はNRMを増加させることなく再発を抑制しDFSを改善させる。PIRに関しては高リスク群やレシピエントがCMV未感染で生じやすく好中球生着は不変だがリンパ球回復が早くなる


日付 2019年3月22日
担当 町田 拓哉
タイトル Autologous transplantation, consolidation, and maintenance therapy in multiple myeloma: results of the BMT CTN 0702 trial
PMID 30653422
著者 JCO
文献 移植可能な70歳以下の多発性骨髄腫患者に対して自家移植後に2回目の自家移植をしたりVRd療法による地固め療法をしてもPFS・OSは改善しない。ただし2回目の自家移植を目指した患者のうち実際に2回目の移植が出来た患者は半分程度であり解釈に注意が必要
要旨  



日付 2019年3月15日
担当 藤澤 佑香
タイトル combination lenalidomide and azacitidine: a novel salvage therapy in patients who relapse after allogeneic stem-cell transplantation for acute myeloid leukemia
PMID 30653424
著者 Craddock C
文献 JCO
要旨 AMLとMDSに対してATGを併用した移植後に早期に血液学的再発を来たした患者に対してAza75mg/m^2+LEN5~25mg/m^2を併用したところORR24%であったがLENのdoseと効果に相関はなくCTLの増加も認めなかった


日付 2019年3月1日
担当 加島PT
タイトル 当院での移植成績とサルコペニアに関する発表
PMID  
著者  
文献  
要旨 サルコペニア(プレサルコペニアを含む)で移植後の生存・GVHDが不良であったがプレサルコペニア群ではクラス1ミスマッチが多かった



日付 2019年2月22日
担当 岡 聡司
タイトル Ibrutinib regimen versus chemoimmunotherapy in older patients with untreated CLL
PMID 30501481
著者 Woyach JA
文献 N Engl J Med
要旨 65才以上の未治療CLL患者に対するIBR±R療法とBR(R500mg/m^2)療法の治療成績を比較ではOSは不変であるもののIBRを使用した群で2年PFS87~88% vs 74%とBRと比べて優れていたがRの上乗せ効果はなくZAP70メチル化を認めた場合はIBR±RとBRでもPFSに差はなかった。またCR率はBR群の方が高かった。


日付 2019年2月15日
担当 北村 亘
タイトル the putative anti-leukemic effects of anti-thymocyte globulins in patients with CD7-positive acute myeloid leukemia
PMID 29459664
著者 Ochi K
文献 BMT
要旨 再発治療抵抗性AMLに対する移植の中でもCD7陽性の場合は1.5~2.5mg/kgのATGを併用することで2年OS50.9% vs 10.9%と有意に予後が改善する。ただし後方視的研究でCD7陽性AMLではなぜか全身性のcGVHDが多いためGVHDによるバイアスは否定できない


日付 2019年2月8日
担当 池内 一廣
タイトル All-oral ixazomib, cyclophosphamide, and dexamethasone for transplant-ineligible patients with newly diagnosed multiple myeloma
PMID 30471652
著者 Dimopoulos MA
文献 Eur J cnacer
要旨 平均年齢73歳の新規診断の移植不適応多発性骨髄腫患者に対するICd(イキサゾミブ4mg・シクロフォスファミド300/400mg/m^2・デキサメタゾン40mg)療法13コース+イキサゾイブ単剤維持療法の治験ではORR76%、VGPR以上33%であった。イキサゾミブ単剤は奏効を深めなかった。


日付 2019年2月1日
担当 藤下 惠悟
タイトル Cord Haploidentical Non-In Vitro T Cell Depletion Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation Reduces Relapse of Refractory Acute Leukemia
PMID 30205230
著者 Jingbo Wng
文献 Biol of blood and marrow transplant
要旨 非寛解期の急性白血病に対してATGを前処置とした勝負ハプロをする際に幹細胞輸注前に有核細胞数1.0×10^7/kgの臍帯血を輸注することで移植片対移植片効果(GVG効果)が生じてそれによってGVL効果が増強され再発が減少しPFSが改善する。特にレシピエントと1抗原不適合の臍帯血を輸注したときにPFSが最も延長した(レシピエントとずれすぎると再発は減るがNRMが増加する)



日付 2019年1月25日
担当 今井 利
タイトル How I treat Philadelphia-positive acute lymphoblastic leukemia
PMID 30442680
著者 Ravandi F
文献 Blood
要旨 Ph+ALLに対する総説:小児では移植と化学療法での差はないが成人では不明(移植しない場合はCNS再発が増加する様子)、仮に移植をしない場合はTKIは休薬せずに継続すべきである、将来的にはLENやBCL2阻害薬との併用も?


日付 2019年1月18日
担当 町田 拓哉
タイトル Randomized, placebo-controlled, phaseⅲ trial of fosaprepitant, ondansetron, dexamethasone(FOND) versus FOND plus olanzapine(FOND-O) for the prevention of chemotherapy-induced nausea and vomitting in patients with hematologic malignancies receiving highly emetogenic chemotherapy and hematopoietic cell transplantation regimens: The FOND-O trial
PMID 29906570
著者 Clemmons AB
文献 Biol of blood and marrow transplant
要旨 造血器悪性腫瘍患者における高催吐リスクの化学療法目的をする場合でのオランザピン10mgの追加は遅発性嘔吐や自家移植で使用するMELによる急性期の嘔気を有意に改善させるが生着には影響は与えない(同種移植では効果はなさそう)